[東京 14日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比492円89銭高の2万7940円90銭となり、反発した。前日の米国株式市場で主要3指数が反発した流れを引き継ぐ展開。日経平均は3日間で約2070円下げた反動もあり、上げ幅は一時498円まで拡大した。決算を手掛かりとした個別物色の流れも継続した。

13日の米国株はダウ工業株30種、S&P総合500種、ナスダック総合の3指数がそろって反発。米金利上昇が一服し、経済再開による恩恵を受けやすいシクリカル(景気循環)銘柄に安値拾いの買いが入った。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は1.5%上昇した。

TOPIXは前営業日比1.56%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆4171億6500万円だった。東証33業種では、精密機器、その他金融業、倉庫・運輸関連業、鉱業などの30業種が値上がり。半面、パルプ・紙、鉄鋼、非鉄金属の3業種は値下がりした。

市場では「日経平均は3日間で大幅安となったわりには上値が重い」(国内証券)との声も聞かれる。「ダウと比較してナスダックの戻りが鈍かったことや、国内での新型コロナウイルスの感染拡大が影響している可能性がある」という。このところ地方での感染者が急増しており、北海道は13日に過去最多の感染者数を更新。政府は14日午前、北海道と広島県、岡山県を緊急事態宣言の対象に加える方針を決めた。

個別では、いすゞ自動車が急反発し22.99%高。前日に今期の好調な業績見通しを示したことが好感された。2022年3月期営業利益予想は1700億円(会計基準変更前のベースで前年は957億円)。国内・海外ともに大きく落ち込んだ需要が回復に転じ、車両・産業用エンジンともに販売台数・基数が大きく増加するという。

そのほか、東京エレクトロン、ファーストリテイリング、ソフトバンクグループ、KDDI、ファナックもしっかり。5銘柄で日経平均を約180円押し上げる要因となった。前日に大幅安となっていた値がさハイテク株は買い戻しが優勢となった。

東証1部の騰落数は、値上がりが1905銘柄、値下がりが250銘柄、変わらずが36銘柄だった。