2021/5/15

【直撃】世界初、デブリ除去衛星を打ち上げた日本企業の勝算

NewsPicks記者
宇宙からのビッグニュースが続いている。
4月、NASA(米航空宇宙局)が火星に送り込んだ探査機が酸素を作り出すことに成功。イーロン・マスクがかねてから掲げる人類の火星への移住が1歩近づいた。
さらに、そのイーロンが率いる米スペースXが民間として初めて開発した宇宙船に乗り込んだ野口聡一さんは地球への帰還をスムーズに終え、改めて民間による宇宙開発が当たり前になったことを印象づけた。
NewsPicksでは日本の宇宙ベンチャーをリードする2社のトップを直撃。民間宇宙時代における日本の勝ち筋を今日と明日の2話にわたってお届けする。
初回は、デブリ(宇宙に漂うゴミ)の除去を手掛けるアストロスケール(東京都墨田区)だ。
今、宇宙が「ゴミだらけ」になっていることをご存じだろうか。
民間企業や新興国が次々に宇宙開発に参戦し、ロケットや衛星を投入し続けた結果、その残骸は1億個にまで到達している。
華々しい成果ばかりが大きく報じられる宇宙空間だが、このままでは将来的な開発ができなくなってしまうほど汚れてしまっているのだ。
そんな中、アストロスケールは2021年3月、世界で初めてデブリを捕えて除去する衛星の打ち上げに成功した。
同社の岡田光信CEO(最高経営責任者)は、これまで世界中で放置され続けてきたデブリの除去には、巨大なビジネスチャンスが眠っていると話す。
NewsPicksは岡田氏を直撃。デブリ問題の本質からデブリ除去という未知の市場でのビジネスモデルを聞いた。
INDEX
  • 今、そこにある「危機」
  • 潮目は、変わった
  • ゴミを捕まえ、消滅させる
  • 最初は「衛星 作り方」でググった
  • 衛星の「アジャイル開発」
  • 規制ができたら「勝ち」
  • 「デファクト」の作り方
  • 日本の勝ち筋は「ハードとソフトの融合」

今、そこにある「危機」