[ソウル 13日 ロイター] - 韓国のサムスン電子は13日、2030年までに非メモリー半導体に171兆ウォン(1510億ドル)を投資すると発表した。19年に発表した目標額(133兆ウォン)を引き上げた。

30年までに世界トップのロジック半導体メーカーになるとの目標に向けて投資を活かすとみられる。同社は、半導体受託生産で台湾積体電路製造(TSMC)に、モバイル向け半導体で米クアルコムに対抗したい考えだ。

サムスン電子は、先進半導体の受託生産プロセスの研究開発と生産ラインの構築を急ぐと表明。平沢市で22年下半期に半導体の第3生産ラインが完成するとの見通しを示した。

韓国の文在寅大統領は13日、平沢のサムスン半導体拠点で「世界中の各国は、自国周辺のサプライチェーンを再編しており、激しい競争を繰り広げている。われわれは国内産業エコシステムを強化するほか、世界のサプライチェーンをリードし、この機会をものにするために先行投資を必要としている」と述べた。

産業通商資源省の発表文によると、韓国は半導体を含む「主要な戦略的技術」を手掛ける大手企業を対象に、設備投資にかかる税控除の率を2021年下半期─24年に6%に引き上げる。現在は3%以下。

政府は、8インチウエハー半導体受託生産能力や素材・パッケージング向け投資の引き上げを対象に約1兆ウォンの長期融資を提供。また、教育を受ける半導体産業の労働者数を2030年までに3万6000人とし、19年の従来目標から2倍以上増やした。

半導体は韓国最大の輸出品目となっており、輸出全体の約2割を占めている。

また、大統領府によると、サムスン、現代自動車、産業通商資源省、各業界団体は13日、自動車向け半導体不足問題に共同で取り組むことでも合意した。詳細な内容は明らかにされていない。