[ワシントン 12日 ロイター] - 米下院共和党は12日、リズ・チェイニー議員をナンバー3のポストから解任した。チェイニー氏は、昨年11月の大統領選挙が不正に操作されたとのトランプ前大統領の主張を否定し、同氏と激しく対立していた。

解任は下院議員の非公開会合で決まった。同氏の解任は、トランプ氏が2022年の中間選挙に向け共和党内で影響力を強めていることを示している。トランプ氏は24年の大統領選出馬の可能性も示唆している。

チェイニー氏は、反トランプ姿勢を変えておらず、22年中間選挙で4期目再選を目指す意向。解任決定後記者団に対し、共和党に「保守主義の基本原則」を取り戻すために尽力すると表明。「われわれは真実に基づいて前進しなければいけない」とし、大うそを受け入れることはできないと述べた。

「トランプ前大統領を二度と大統領執務室に近づけないようにするためにできる限りのことをしていく」と強調した。

一方、トランプ氏は声明で「リズ・チェイニーはひどい人物だ」と非難した。

チェイニー氏は1月6日の連邦議会占拠事件を巡りトランプ氏の弾劾に賛成票を投じた10人の下院共和党議員のうちの1人。

チェイニー氏の後任を選任する時期は不明だが、トランプ氏と共和党下院トップのマッカーシー院内総務はステファニク下院議員を推薦している。

チェイニー氏は、2001─09年のブッシュ政権で副大統領を務めたディック・チェイニー氏の長女。