[北京 12日 ロイター] - 中国国営シンクタンクは12日、同国の人口は2026年から2030年の間に「転換点」を迎え、横ばいまたは減少に転じるとの予想を発表した。出生数の減少は成長モメンタムの鈍化または逆転につながるとしている。

中国が11日に発表した2020年の国勢調査によると、総人口は14億1000万人で、前回調査(2010年)時から5.38%増加。1950年代以降で最低の伸びとなった。

出生率の低下は、数十年に及ぶ1人っ子政策、生活費の上昇、社会的モラルの変化などが原因だ。

2020年までに人口を約14億2000万人に増やすという目標はわずかに未達となった。出生率は女性1人当たり1.3人に低下し、目標の1.8人を下回っている。2020年の出生数は1200万人にとどまり、1961年以来の低水準となった。

中国人口発展研究センターのZhai Zhenwu教授は「人口増加がゼロ、あるいはマイナスになる時代が徐々に近づいている」と述べている。同教授は、2021年から2025年までの中期政策大綱である第14次5カ年計画は、今世紀中に人口が増加する最後の期間になると予想。現地紙「経済日報」にコメントを寄せ、「第15次5カ年計画では、中国の人口は『転換点』を迎えることになるだろう」とした。