[アムステルダム 12日 ロイター] - オランダの銀行ABNアムロが12日発表した第1・四半期決算は、最終損益が5400万ユーロ(6600万ドル)の赤字となった。マネーロンダリング(資金洗浄)を巡る巨額の罰金が響いた。

純損失は同行がまとめたアナリスト予想にほぼ一致した。前年同期は新型コロナウイルス危機の影響で3億9500万ユーロの赤字を計上した。

ABNは先月、同行の口座を介したマネーロンダリングの監視体制不備に関してオランダ検察当局の調査を受けていた問題で、4億8000万ユーロの和解金を支払うことで合意していた。

また、純金利収入が前年同期比11%減の13億6000万ユーロとなり、予想以上に落ち込んだ。低金利で利ざやが圧迫されたほか、昨年に貿易・コモディティー金融を終了すると決定したのを受け、企業向け融資が縮小した。2020年通年の金利収入は9%減だった。

これを受け、ABNアムロ株は序盤の取引で7%以上値を下げた。ただ、依然として1年前の水準を70%上回っている。

シティグループのアナリストはノートで「純金利収入のトレンドは厳しいままだ」と指摘した。

一方、オランダの住宅市場が活況となる中、ABNの新規住宅ローンのシェアが改善したほか、過去に計上した貸倒引当金のうち7700万ユーロを戻し入れた。

ロバート・スワーク最高経営責任者(CEO)は、金利収入が減少しコストが上昇したものの、直近の数四半期に沿った形で業績が推移したとコメント。「オランダ経済はコロナ危機に比較的うまく耐えている」として、年内のロックダウン(封鎖措置)緩和による力強い景気回復を予想していると述べた。