2021/5/12

【解説】SaaS第一人者が語る、「次」に起きること

SaaSは、もはやキャズムを超えた。
これまで特集で見てきたとおり、クラウドベースのビジネスは、コロナを機にさらに加速度を上げ、時価総額で1兆円、5兆円、10兆円をたたき出すことは何の珍しいことでもなくなった。
だが、このSaaS黄金時代は今後も続くのか。そして、次に来る変革は?
NewsPicksは、日本のSaaSの第一人者であり、ベストセラー書籍『THE MODEL』の著者である福田康隆氏に取材を敢行。言葉が独り歩きしがちな「SaaS」の本質、次にホットな領域、そしてテクノロジーの向かう先までをくまなく聞いた。
SaaSを理解する上で必須の10のキーポイントとともにお届けする。
INDEX
  • 最大の変化はサブスクではない
  • 「次」に来る領域は
  • Zoom, Slackが勝った理由
  • 「サブスクの次」が来た背景
  • 日本進出は「ARR」を見る
  • SaaSは、まもなく古くなる

最大の変化はサブスクではない

──現在のSaaS隆盛をどうみていますか。
福田 去年、マイクロソフトのナデラCEOが、「2年分のDXが2カ月で起きた」と話したのが繰り返し引用されていますが、これは実感値としても本当にそう感じています。
テクノロジーの歴史を振り返っても明らかですが、テクノロジー企業の生み出す製品やサービスによって、消費者である人々の行動様式や選択は大きく変わってきました。