[シンガポール 10日 ロイター] - 暗号資産(仮想通貨)のイーサが10日の取引で4000ドルを超え3営業日連続で最高値を更新した。新たな利用手段が見つかるのではないかとの観測が背景。

直近ではバイナンス取引所で約6%上昇。中盤のアジア市場では4119ドルで取引されており、今年に入り5倍以上に値上がりしている。

ビットコインは約2%上昇し、3週間ぶり高値を付けた。直近の取引では5万9603ドル。今年に入り2倍以上に値上がりしている。

柴犬がトレードマークのドージコインは0.54ドル付近で推移。暗号資産の熱心な支持者であるテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が米人気バラエティー番組でドージコインは「詐欺」と発言したのを受け、9日に0.416ドルまで下げていた。

マスク氏が率いる民間宇宙企業スペースXがドージコインを支払い手段として受け入れるとのツイートが支援材料になったとみられる。

ドージコインは100倍以上に値上がりしており、アナリストは熱狂的な投機取引に懸念を強めている。

ペッパーストーンのリサーチ部門トップ、クリス・ウェストン氏は週末に取引高が膨らんだと指摘。

「(暗号資産は)市場を熟知していない人が考えるよりも、はるかに多くの機関投資家が関与していると思う。イーサの人気が高まっている。実際にも一部で利用されている」とし、銀行を介さない取引の台頭でイーサが利用されていると指摘した。

イーサが使用されているプラットフォーム「イーサリアム」のブロックチェーンは最近アップグレードされており、市場関係者はデジタルプラットフォームが銀行による金融取引の独占を崩す「DeFi(分散型金融)」でイーサが中心的な存在になるのではないかと指摘している。

コインマーケットキャップによると、イーサの時価総額は4770億ドル。ビットコインは1兆1000億ドル、ドージコインは690億ドル。