コロナ治療薬めぐるインサイダー疑惑 社長が否定
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医薬品のような研究の成否が関係する企業の株式は、その内容が公表されると株価が大幅に変動することがあります。インサイダー(内部者)取引は、その事実が「公表」される前に、会社関係者からの情報を受領した情報受領者が株式の取引をすることを指し、「取引の事実があれば、利益が上がらなくても」罪に該当します。
会社関係者には、上場企業の役員、社員、非正規雇用の方と許認可権限を有する公務員や守秘義務契約を結び情報を知り得る立場にあるコンサルタント業者なども含まれます。
情報受領者には、会社関係者を通して重要事実について知った本人のほか、家族、その他会社外部の方も該当します。企業役員本人が売買しなくても、その情報を知った「誰か」が売買すれば罪に問われます。企業の株価に影響を及ぼす「内部情報」を知る方の、「高いレベルの守秘義務」が強く求められます。
「公表」とは、金融商品取引法166条の4で以下のように定義されており、どれか1つでも該当すれば公表済みとなります。(『インサイダー取引規制の概要』金融庁)
・2以上の報道機関に対して公開され、12時間経過したこと
・TDNet等(東京証券取引所の運営する適時開示情報伝達システム)により公衆の縦覧に供されたこと
・有価証券届出書等に記載し、公衆の縦覧に供されたこと
市場外取引の場合でも、「インサイダー取引」に該当しますが、市場外での相対取引のうち、売買等の当事者双方が同一の未公表の重要事実を知って売買等を行う場合は、規制の適用除外に該当となる場合もあります。(日本取引所グループ https://www.jpx.co.jp/regulation/preventing/insider/index.html)
コロナ治療薬の開発については、有名人やその領域の研究者の名前を借りて「研究」や「事業化」への着手を発表するだけで株価が上昇するような「おかしな市場」に見えます。このような領域は、「インサイダー取引」に狙われやすい性質がありますので、発表の意味するところや不確実性を踏まえた投資が望まれると思います。
※ 当コメントは一般論を述べたもので、記事にある企業に対するものではありません。証券取引等監視委員会の捜査の前段階である調査は、多分皆さんが想像する以上に緻密です。
この記事を読むと、既にこの社長は任意で事情聴取を何度も受けていると感じます。その上でのこの説明ですね。
↓
個人の証券口座は持っていません。私個人で売り買いすることはありません
これは本人名義の証券口座で、本人名義で売り買いしていないと言っているだけで、それはインサイダー取引のほんの僅かな定義に該当するに過ぎません。つまり、これ以外のインサイダー取引に該当する行為をしていた可能性がある訳ですね。