[7日 ロイター] - 米国の自動車部品メーカーは、世界的に半導体不足が深刻化する中、自動車大手による追加減産を警告した。

半導体不足は、需要が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で打った底から回復しつつあるという、自動車メーカーにとっては不都合なタイミングで起きた。低金利に加え、健康が危機にさらされる中で消費者が個人的な交通手段を好むようになった需要回復の要因だ。

自動車部品大手リア・コーポレーションのジェーソン・カードリュー最高財務責任者(CFO)は7日、「現時点で未公表のさらなる操業停止を見越して、業界生産の3%減少を織り込んだ」と話した。

カードリュー氏は「われわれは4─6月期にIHSマークイットや他の機関による予測よりも大幅な減産を見込んでいる」と発言した。

米フォード・モーターは、半導体不足から4─6月期に自社の自動車生産が半減するとの見通しを示した。

独フォルクスワーゲン(VW)は自動車用半導体の大幅不足で「危機モード」に入ったと表明。半導体不足が4─6月期の収益に打撃を与えているという。

リアは、世界の自動車生産予測を9%増に下方修正。年初には最大12%増としていた。4─6月の売上高は前期比9%減と見込む。

部品各社はまた、半導体不足による打撃は少なくとも来年まで続く可能性があると警告した。

米自動車部品・自動運転技術大手アプティブの最高財務責任者ジョセフ・マッサロ氏は「需給の不均衡が通常レベルに完全回復するのは、2022年以降だと見込んでいる」と話した。

部品メーカーはまた、鉄鋼や銅などの主要材料のコスト上昇による利益率の圧迫にも直面している。

ただ、自動車メーカーがより利益率の高いピックアップトラックやスポーツ用多目的車(SUV)の生産に重点を置くことで、コストの一部を回収可能だとの見方も大きい。

アナリストは、新型コロナワクチン接種の迅速な進展と経済活動の再開を受け、クラウド、家電といった自動車以外の分野でも半導体需要が増加していると指摘した。 カナダ自動車部品大手マグナ・インターナショナルのヴィンセント・ガルフィーCFOは「私の疑問は(減産を)年内に埋め合わせることができるかどうかだ。本当に不明だ」と話した。