(ブルームバーグ): 米カリフォルニア州の当局者はテスラのエンジニアの1人と面談した上で、自動運転支援システム「オートパイロット」の性能についてイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の今年初めの説明に誇張があったとの結論に達した。

この情報を含んだカリフォルニア州車両管理局(DMV)の記録は法の透明性向上に取り組む団体のプレーンサイトが入手し、5月6日に公開した。3月9日付の内部文書によると、DMV関係者はオートパイロットのソフトウエア責任者のCJ・ムーア氏に、テスラが年内に完全自動運転を達成できるとしたマスク氏の主張について尋ねた。

「マスク氏のツイートは、ムーア氏が指摘したエンジニアリングの現実にそぐわない」と、DMVの自動運転車部門を統括するミゲル・アコスタ氏はこの文書に記した。マスク氏は1月、早ければ年内にもテスラが完全自律走行を成し遂げることに自信があると、ツイッター投稿と決算会見で表明していた。

マスク氏はテスラがレベル5の完全自動運転の開発が間近だとの見方を数年前から示しているが、運転手は現在に至るまでテスラ車のオートパイロット使用時にハンドルを握る必要がある。テスラは2年前、マスク氏がロボタクシー事業についての予測を述べた後に20億ドル(約2200億円)余りを調達したが、その予測は実現しなかった。

アコスタ氏は文書で「テスラは現在レベル2だ」と指摘。マスク氏が「レベル5の機能について語った際の改善ペースはマスク氏の推定だと、テスラは示唆した。この改善ペースなら年内にレベル5を達成できるとは、テスラは言えなかった」と続けた。

原題:Tesla’s Musk Overstated Autopilot Status, DMV Inferred (Correct)(抜粋)

(5月8日配信記事について加州当局者の印象を反映する形に見出しと第1段落を修正します)

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