ハイブリッド勤務に完全対応。グーグル「オフィス改革」の全貌
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羨ましすぎる!写真に惹かれるものの、いざ実施するにはハードルが高すぎ。学ぶことがあるとすると「実験する」というキーワードだろう。Trial and errorともいうが、とりあえずやってみて試行錯誤を繰り返す精神くらいは真似ることができるはず。巨大企業になってもフットワークの軽さを重視する企業文化は素敵だと思う。
自分たちもコロナがひと段落した時を想定して、オフィスの在り方を考え直しているところ。カルチャーとして心理的安全性を求めるのであれば、まずはスペースも身体的安全性が確保されていることが前提になるだろう。リモートを継続したい人間がいる反面、チームメンバーや関連部署の人に会えないフラストレーションを抱えている人間が多数いるのも事実。
できる事があるとすると1週間に何回か顔を会わせて対面で話したいと思える環境を用意することだろうか。試行錯誤するには、まずは始めなければいけないので、お洒落なデザイン会社のレイアウトを横目に自分毎として考えることにしよう。
注目のコメント
Googleが従業員を対象に実施している意識調査では、回答した約11万人の従業員の約70%がリモートワークについて「好ましい」と考えていて、「好ましくない」が15%、「中立」が15%だったとのこと。米国の社員の中には、西海岸を離れて他の場所(テキサスのオースティンなど)に移住した人もいて、完全にオフィスに復帰させることは難しく、今後はオフィス勤務と在宅勤務のハイブリッドにならざるを得ないでしょう。
その中で「これからのオフィス」の在り方について試行錯誤するGoogle。「自在に変化するオフィス」のコンセプトは面白いと思います。自由に家具の配置換えができる個々のポッド、座席の配置換えにあわせて移動可能なダクトシステム、座席ごとの空調、バルーンウォールによる即席間仕切り…など。広大なスペースを持つGoogleだからこそできる部分もあるでしょうが、他企業にとってもヒントになる部分があるのではないでしょうか。こういう積極的な分析やシステムの落とし込み、その実装でGoogleが圧倒的に先行しているとはいえ、これはどの企業、どの不動産会社にも当てはまる、まさに今起きている社会の変化。職、住、学、楽(エンタメ)といった領域が時間や場所で白黒で明確な線引きができないことが当たり前になっていく社会における、生産性と管理、価値創出と契約の在り方を、かなり根本的に作り替えざるを得ないということ。それはハードだけでも成り立たないし、ソフトだけでも実装は不可能で、それらの混ぜ方すら動的で個人依存にならざるを得ない流れの中、固定的なルールでは対応できなくなっているのは明らか。
ポイントになるのは時間スケールと空間スケール、場所と所属のシームレス化およびグラデーション化の急速な進行で、これまで8時間といった単位で固定することが可能だった就労時間がどんどん離散的でかつグラデーショナルになり、ある瞬間の人の所属も、いる場所に所属や貢献の形が1:1で固定されないようになり、ある瞬間に離散的に複数の行為や所属を前提とするのが当たり前になる。
記事中のGoogleの試みも意欲的で興味深いとはいえ、建築や物理的なプロダクトで対応できる場所や時間のスケールにはおのずから限界があり、従来型のデザインという道具立てだけではとても対応できない変化が起きつつある。デザイナーの端くれとしては難しさを痛感するところではあるが、同時にデザインという価値創造の対象が、ソフトや契約などのルールのような領域にも不可分に染み出していく傾向は、新たな可能性を感じる部分でもある。
従来型の「オフィスのデザイン」をハードラインとプロダクトだけで解決しようとするスタンスはもはや限界を迎えていて、多様な時間スケール、空間のスケール、場所性や所属をいかにシームレスに混ぜられる環境をデザインするか、個々のニーズや状況に応じた編集性を価値として積極的に取り込みにいけるか、デザインする側だけでなく、発注する側、使う側の根本的な理解のシフトが求められていく。先日、Googleはオフィス設備に1000億円以上を投資すると発表していましたが、リモート前提の環境に合わせたオフィス計画が進んでいるようですね。オフィスにきて仕事をすることが促進されるしかけが多くされているようで、Office facilityを担当されている方には参考になる記事です。ただし、オフィス環境は働き方のルールや文化、会社のステージによって合う合わないがあると思うので、オフィスだけ真似ても意味がありません。いろいろな企業のやり方を学んで自社に合う環境を作るアイデアにできるといいですね。