2021/5/8

ハイブリッド勤務に完全対応。グーグル「オフィス改革」の全貌

INDEX
  • 世界中のオフィスの1割を「刷新」
  • 「会議室」のネオスタンダード
  • グーグルが重視する「3大トレンド」
  • 自在に「変化」するオフィス
  • 従来のオフィス理論の「撤回」
  • オフィス復帰のカギは「自律性」

世界中のオフィスの1割を「刷新」

グーグルの最初のオフィスは、シリコンバレーのガレージ。木挽き台に天板を乗せてつくったデスクがひしめき合う、雑然とした空間だった。
創業から5年後の2003年、グーグルは「グーグルプレックス(Googleplex)」と呼ばれる広大なキャンパスに拠点を移した。
開放感のある個性的なこの空間は、革新的な職場がどのようなものかについての新たな基準を打ち立てた。年月を重ねるごとに設備も充実し、食事も、職場への送迎バスも無料になった。オフィスに行くのも、一日中そこで過ごすのも楽になった。
こうして「雇用主による従業員への待遇」を再定義したグーグルが今、再びオフィス改革に挑んでいる。過去1年のリモートワークに慣れて、常にオフィスで仕事をする環境に戻りたくないと考えている従業員のために、パンデミック後を見据えた職場づくりに取り組んでいるのだ。
グーグルでは、オフィス勤務を再開(アメリカでは9月の見通し)するにあたって、従業員にワクチン接種を受けるよう促す──だが義務づけはしない──ことにしている。
再開後しばらくは、オフィスの内装にさほど大きな変化はみられないかもしれない。だがグーグルでは今後1年程度で、世界各地のオフィスの約10%について新たなデザインを導入していく予定だ。
自在にカスタマイズが可能な「チームポッド」(Cayce Clifford/The New York Times)

「会議室」のネオスタンダード