ドイツ、ワクチン特許除外反対 知的財産の保護主張
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注目のコメント
特許の一時停止や放棄は功罪両面をはらむ。
現在完成した代物について、確かに高額であるが故に振盪せず使えない、という状況については止めた方が進むのは間違いない。
一方で、こうした措置を取るんだと判断してその後の開発意欲が削がれるという面は否定できない。
今回の新型コロナ(COVID-19)の場合、次の点を押さえないといけない。
1.他のコメントでもあるように、現状はそもそも供給のスピードに問題がある。国策需要も含めたら需要に供給がまず追いついていない。かと言って他社が簡単に同じ品質まで確保してという制約付きなら真似できる代物とも考え難い(粗悪品は作れるだろうが)。ということは特許を止めたら供給速度が上がるという訳ではない。
2.変異株への対応はまだ検証が充分とは言えない。ということはあと普及さえすれば解決という段階かはまだ分からない。従来種には有効だろうが。ならばまだ研究開発が必要。ということは特許停止で意欲を削ぐのは危険。
これらを考えればなすべきは特許放棄より公的支援。
国単位での支援、国内を含めた貧困層へのワクチン接種の補助(出来る事なら一定所得以下無料とかまで含めての段階への補助)、WHO等からの途上国支援、そしてこうしたワクチン接種の普及を途上国などにはかるNPOへの支援とさらなる税金優遇などが先と思われる。特許制度は、かつて医薬品には認められていなかった。今でもインドでは強制実施権制度があるし、医療行為そのものには認めていない国が多い。
それは人の生命がビジネスよりも優先されるという考えによるものだが、医薬品ビジネスがグローバルに広がり、ここまで大きくなってしまった今、それも形骸化しつつあるのかも。
ジェネリックの問題もですが、医薬品業界には特許制度に依存しないビジネスモデルが必要なのだと感じますね。