[ワシントン 5日 ロイター] - バイデン米大統領は5日、世界貿易機関(WTO)で提案された新型コロナウイルスワクチン特許の一時放棄を支持すると表明した。100を超える国のほか、米民主党議員からも特許放棄を求める声が高まっていた。

バイデン氏はホワイトハウスでのスピーチ後、記者団から特許放棄を支持するのかと聞かれ、「きょう話をするつもりだ」と述べた。

通商代表部(USTR)のタイ代表は、バイデン氏の発言後に声明を出し、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)対応で各国を支援するため、バイデン政権として特定の知的財産権を一時放棄する措置を支持すると表明した。

タイ氏は、特許放棄に向けてWTOで文書を通じた交渉に参加するとしたが、交渉には時間がかかるとも述べた。WTOの決定には全加盟国の承認が必要になる。

WTOに加盟する富裕国は3月、貧困国向けにコロナワクチン生産を拡大するために80カ国以上の発展途上国が求めていた特許権の適用除外を認めなかった。

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、米国のワクチン特許放棄表明について「新型コロナとの闘いにおいて記念すべき瞬間だ」とツイッターに投稿し、評価した。

一方、製薬業界のロビー団体は、バイデン氏の前例のない措置はパンデミックに対する製薬企業の対応を弱め、安全性が損われることになると警告した。

この日の米国株式市場では、コロナワクチンを生産するモデルナが6.19%安、ファイザーは0.05%高だった。

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