[ワシントン 5日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が5日発表した4月の非製造業総合指数(NMI)は62.7と、過去最高だった前月の63.7から小幅に低下した。大規模な景気刺激策と、新型コロナウイルスの状況が急速に改善していることから需要が大幅に増え、原材料などの供給不足が抑制要因となったとみられる。市場予想は64.3だった。

指数は50が景気拡大・縮小の節目となる。サービス業は米経済の3分の2超を占める。

構成指数の雇用は58.8と、3月の57.2から上昇し、2018年9月以来の高水準を付けた。

ISMは、労働力不足の問題に直面していなければ、同指数がより堅調に上昇していた可能性があると指摘。コロナ制限策緩和や飲食店の営業再開などに伴い、宿泊や食品サービス関連企業から「人材の確保に苦慮している」状況が報告されたほか、建設業界も労働力不足から、全ての仕事を受注できない状況にあるという。

労働省は4月の雇用統計を7日に公表する。ロイターのエコノミスト調査によると、4月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比97万8000人増と予想されている。3月は91万6000人増だった。

ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、ティム・クィンラン氏は「人材確保が困難となっていることが、雇用統計への最大の下方リスクだ」との見方を示した。

他の構成指数では、新規受注が63.2と、過去最高だった3月の67.2から低下した。未完成業務の在庫を示す指数は大幅に上昇し、供給網の混乱の影響を強調した。

在庫指数は低下。輸入指数は上昇した。支払価格は76.8と、08年7月以来の高水準を付けた。3月は74.0だった。