2021/5/6

【牧野正幸】ワークスでの反省点とこれからやりたいこと

NewsPicks 金融ジャーナリスト
一昨年、表舞台から退いたカリスマ経営者がついに沈黙を破った。
国内ではほとんどベンチャー企業の成功例がなかった企業向けソフトウェア業界で大きな可能性を示したワークスアプリケーションズ。
  • 1996年の創業からわずか5年で上場
  • 人事・給与ソフトウェアでのトップシェア
  • 就活人気ランキングでの1位獲得
元ITコンサルタントの創業者、牧野正幸氏が率いるワークスアプリケーションズは、大成功を収めていた。
しかし、社運を賭けた新製品「HUE(ヒュー)」の開発の遅れやコストの増加が重荷となり経営が急激に悪化。
2019年6月に稼ぎ頭の人事部門を外資ファンドに売却。牧野氏も同年10月に会社を離れた。
ワークスアプリケーションズはなぜ無謀にも見える挑戦を行ったのか。そして、元CEOの牧野氏は今、何を目指しているのか。NewsPicks編集部に牧野氏が騒動以来初めて口を開いた。
牧野正幸(まきの・まさゆき)パトスロゴス社長/1963年生まれ。兵庫県出身。日本IBMの契約コンサルタントを経てワークスアプリケーションズを1996年に創業。2001年にジャスダック上場。最高経営責任者(CEO)として売上高500億円以上の企業に成長させた。2019年10月にCEOを退任。2020年10月にパトスロゴスを創業。化粧品企業パスの取締役やメディアドゥホールディングスの顧問も務める。
INDEX
  • ワークス経営での反省点
  • むしろ、もっと採用したかった
  • なぜ大勝負に出たのか
  • ワークスでやり残したこと
  • 大企業への営業に必要なこと
  • シリコンバレーの機能を提供する
  • AI製品開発が進まない理由
  • 今回の起業で実現したいこと

ワークス経営での反省点

──なぜワークスアプリケーションズの経営は、悪化してしまったのでしょうか。
ファイナンスのスキーム(資金調達の枠組み)をもっとしっかりと固めて十分な資金調達をするべきでした。それが唯一、駄目だったところです。