2021/5/6

【衝撃】ダチョウの抗体が、700億円の経済効果を生み出した

NewsPicks, Inc. 公式アカウント
鳥類の中で最も大きく、飛べない鳥ダチョウ。
そのダチョウの卵から、新型コロナウイルスやインフルエンザ、花粉症など、さまざまな種類の抗体をつくりだし、世界から注目を集めているのが、京都府立大学学長で獣医学博士の塚本康浩氏だ。
塚本氏は、ダチョウには並外れた免疫力があることを発見し、2006年にダチョウの卵から抗体を大量生産する方法を確立。
以後、MERS(中東呼吸器症候群)やエボラ出血熱など、危険な感染症が流行るたびに、すぐに抗体をつくり、世界各国で感染予防に役立ててきた。
また、新型コロナウイルスの抗体の精製にも成功し、ダチョウ抗体マスクをはじめ、さまざまな抗体製品を開発。
その経済効果は700億円以上とも言われている。
現在、米軍の感染症医学研究所やハーバード大学の医学部などとも共同研究を行っている塚本氏は、研究者、大学学長、獣医師、起業家という4つの顔を持つ。
そんな塚本氏が3月に『ダチョウはアホだが役に立つ』を刊行した。ダチョウ抗体が秘める可能性やダチョウの特徴、そして塚本氏が「ダチョウ博士」になるまでの道のりなどが綴られている同書。
「アホだが役に立つ」とはどういうことか。研究者としての活躍のみならず、社会実装まで実現させている塚本氏に、ダチョウに着目した理由や、ダチョウ抗体が成し得ること、日本の研究者が抱える課題などについて伺った。