2021/5/5

【独占】松山英樹の初コーチが、大切にしていること

SportsPicks/NewsPicksSports
目澤秀憲は言う。
選手は、ゴルフにまつわるさまざまな知識に、必ずしも精通していなくてもいい。
先日、世界ゴルフ4大大会の一つ、マスターズで優勝という快挙を達成した松山英樹のコーチである。
松山は、コーチをつけない「セルフコーチング」派で有名だった。
アマ時代から抜群の才能と結果で注目を集めてきた松山は、2013年にプロへ転向。多くのプロが技術などを指導するコーチをつけてステップアップを目指す中、松山は常に自分の感覚を大事にし、世界と戦う力をつけてきた。
しかし今年に入ってから、目澤をコーチに据えた。その4カ月後、松山はグリーンジャケットを着た。日本初、そしてアジア人として初めて、世界一へと上り詰めたのだ。
マスターズ優勝を果たした松山英樹選手(写真:Doug Mills/The New York Times)
目澤の、「必ずしも選手がゴルフに通じている必要はない」の真意はこうだ。
選手に重要なのは、その人なりの哲学や、考え方、練習方法を持っているかどうかです。

一方で指導するコーチは、幅広い知識を持っていることは必要不可欠であり、その知識を増やす努力を続けていかなければいけません。
続けて言った。
知識が増えると、合いそうなもの、やらなくてもいいことが、わかってきます。
優勝インタビューで松山は言った。
これまでメジャーで勝てなかったが、僕が勝ったことで、日本も変わっていくのではないかと。

僕もこれからもっともっと勝っていきたい。
松山の快挙で変わるものとは何か。
そのエッセンスを知るために、世界トップを成し遂げた「チーム松山」、そこにあったコーチングの要諦を、最大のキーマンである目澤に、NewsPicksが独占直撃した。
INDEX
  • 本場アメリカ、全く違う指導法
  • スイングより、まずは体を測定する
  • アドバイスに「つながり」を
  • チームアプローチの具体論
  • 意見を否定しない
目澤秀憲(めざわ・ひでのり)
1991年生まれ。東京都出身。日本大学を卒業後に米ボストンへ語学留学し、日本人では数人しか持っていないTPIレベル3を取得。コーチとして河本結、有村智恵、永峰咲希らを指導し、河本の米ツアー参戦や永峰の国内メジャー大会制覇などに導く。2021年より松山英樹と専属コーチ契約を結び、米ツアーに同行している。

本場アメリカ、全く違う指導法