[シンガポール 30日 ロイター] - シンガポールの銀行大手DBSグループ・ホールディングスが発表した第1・四半期決算は、純利益が前年同期比72%増の20億シンガポールドル(11億米ドル)と、過去最高益を計上した。

融資が大幅に増加したほか、資産の質も改善。ウエルスマネジメント部門も好調だった。

同行は、世界経済の回復に強気な見方を示し、新たな不良資産の発生が新型コロナウイルス流行前の水準を下回ったと指摘した。

リフィニティブがまとめた市場予想は14億3000万シンガポールドルだった。

ピユシュ・グプタ最高経営責任者(CEO)は「エンジン全開で、当行のビジネスにとっては素晴らしい四半期になった。融資と預金の伸びは力強く、手数料も好調で、トレジャリーも記録的な実績を残した」と述べた。

アナリストは、シンガポールの銀行について、ウエルスマネジメント部門の持続的成長で利益が増加すると予測。ただ、低金利を背景に純利ざやは縮小している。

第1・四半期の純利ざやは1.49%と、前年同期の1.86%から低下。前四半期との比較では横ばいだった。

DBSは通期の融資の伸び率予測を1桁台半ばー後半に上方修正。手数料収入が2桁の伸びになるとの見通しも示した。

同行は今月、8億1400万ドルを投じて中国の民間銀行に13%出資することで合意。中国では同行最大の株式取得となった。数カ月前には成長市場であるインドのラクシュミ・ビラス銀行の買収も完了している。

ロイターは今月、DBSなど複数の銀行が、米シティグループのアジア個人金融事業の一部買収を目指していると報じた。

*内容を追加しました。