2021/5/1
【浜矩子】日本を蝕む「自分さえ良ければ病」の正体
企業の値下げ競争が、物価の低迷を長引かせているのではないか──。
経済学者の浜 矩子・同志社大学大学院教授は、2009年に「ユニクロ栄えて国滅ぶ」(『文藝春秋』2009年10月号)という刺激的なタイトルの論文を発表して話題になった。
ユニクロを筆頭とした格安商品で利益を上げる企業の戦略を見習えという論調に対して「それでいいのか」と疑問を投げかけ、さらに、過激な安売り競争が労働者の賃金切り下げと直結していると指摘したこの論文は、賛否両論を巻き起こした。
あれから12年。浜氏は現在も続く物価低迷をどうみているのだろうか。NewsPicks編集部の取材に応えた。
下方柔軟性の激烈な悪循環
──「ユニクロ栄えて国滅ぶ」からおよそ12年が経ちました。現在の日本の社会、物価や賃金についてどうみていますか。
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この連載について
世界3位の経済大国、ニッポン。だがこの20年間、物価が上がりにくい状態が続いたことで、日本のモノやサービスの価格、つまり物価の水準は、世界の中でだんだん「安い」方になりつつある。この状態は日本の企業をどう変えたのか。私たちの未来にどんな影響をもたらすのだろうか。
「ユニクロ」や「ジーユー」などの、SPA型低価格衣料専門店を展開。特に中核事業であるユニクロは中国・アジア地域を中心に出店を加速。世界でも上位の売上高を誇る。
時価総額
14.9 兆円