[29日 ロイター] - 米ネット通販大手アマゾン・ドットコムが29日に発表した第1・四半期決算は、新型コロナウイルス禍でオンライン販売が引き続き好調となり、4四半期連続の過去最高益となった。売上高も市場予想を上回った。

米経済が回復する中、消費者の支出が続き、オンライン販売も堅調を維持する見通しだ。

新型コロナの感染拡大以降、アマゾンのネット通販利用者は急増しており、同社はコロナ収束後も、特に食料雑貨でこのトレンドが続くとみている。有料のプライム会員は2億人を超え、需要増加に対応するため50万人超を採用している。

株価は引け後の取引で4%上昇した。

同社は、今第2・四半期の営業利益について45億─80億ドルと予想。新型コロナウイルス対策費用は約15億ドルを見込む。

ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、マイケル・パクター氏は、プライム会員の増加や、コロナ禍の食品デリバリーへの消費者の需要増加、景気改善がアマゾンに有利に働いていると指摘した。

傘下の高級食品スーパー、ホールフーズ・マーケットが主体のアマゾンの食料雑貨売上高は好調を維持している。

第1・四半期の純売上高は1085億2000万ドルと、754億5000万ドルから拡大。リフィニティブのアナリスト予想である1044億7000万ドルを上回った。

利益は81億ドルと前年同期の3倍以上に増加した。

クラウドサービス「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」の売上高は32%増の135億ドルで、市場予想の132億ドルを上回った。

ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)はプレスリリースで、AWSの業績を強調。「AWSはわずか15年間で、年間売上高ランレートが540億ドルと世界のテクノロジー大手と競合する事業となり、成長は加速している」と述べた。

ブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は、技術インフラをAWSに外注したい企業が多いと指摘。「新型コロナのパンデミック(世界的大流行)後の回復局面に入る中、このトレンドは続く見込みだ」と語った。

同CFOはまた、今年にビデオコンテンツ向け支出を拡大する方針を示した。消費者の視聴時間が増えているという。

アマゾンの広告事業はフェイスブックやアルファベットに後れを取っているものの、拡大している。

インベスティング・ドット・コムのシニアアナリスト、ジェシー・コーエン氏は「中核の小売事業とクラウド事業以外では、広告収入がアマゾンの実質的な成長エンジンになりつつある」と語った。

広告事業などの売上高は77%増の69億ドルと、予想の62億ドルを上回った。

アマゾンは例年7月に開催している有料会員向けセール「プライムデー」について、消費者が休暇に入る前の6月に前倒しする意向も明らかにした。