TDK、中国EV向け電池大手と提携
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TDKとCATLの提携。CATLは、TDKが買収したATLからスピンオフした企業。親和性もあれば色々思うところもあるだろうが、その舞台裏が気になる。
下記が会社リリースで、『家庭用蓄電システムや電動二輪車、その他産業用途に適した中型二次電池の開発、製造、販売に特化した合弁会社(2社)を設立し運営する予定』とある。2社というのは二次電池セルと二次電池パッケージでそれぞれ会社を作り、セルについてはCATLが7割、パックについてはATL(TDK)が7割という出資比率がポイントだと思う。
あとはクロスライセンスについての言及もある。クロスライセンスが、このJVだけなのか、全般なのか、全般だとすれば相互利用をしたとしてもその中でお互いにフィーがどれくらい発生するのか(払ってでも使いたい=どちらがクロスライセンス締結のニーズが強かったのか)が気になる。
https://www.tdk.com/ja/news_center/press/20210428_01.html
CATLとATL・TDKの文脈については、2018年と少し前ではあるが下記のNP編集部の記事がオススメ。
https://newspicks.com/news/3055847EV向けというよりも、充電器や電動二輪車向けの中型電池を対象とした提携のようで、今年の初めに今後3年間で5,200億円投資する発表をしていました。
TDK、EV関連に投資シフト 蓄電池などに5000億円
https://newspicks.com/news/5539143
TDKは家庭用蓄電池は細々とやってましたし、パワーセルというATLと共同開発した独自の“マルチプル・タブ・ワインディング(MTW)”で巻回したパウチ型のLiPoも持ってます。そして民生用の表面実装型全固体電池のCeraChargeも。
日本のデバイスメーカーが辿った、用途・市場開拓というハードルを越えるためにパナソニックがTeslaと組んだ先例が有りますが、今回は上流側のCATLとの提携。今回はどうなるか。
デバイス・ドリブンなビジネスモデルへの挑戦は続きますが、バッテリーの場合はコスト低減が至上命題なので、DXによるサービス化もさることながら次世代バッテリーの研究開発マネジメントの巧緻が大きいのではないでしょうか。
CATLが次世代ネタを持っているかどうかは怪しいですが、CerachargeはTDKエレクトロニクス(元epcos)のオーストリアにある研究所で開発しています。車載用では無く、コインセル代替やビーコン用途です。
https://www.tdk-electronics.tdk.com/ja/155978/company/tdk-electronics
https://www.tdk-electronics.tdk.com/en/2471330/tech-library/articles/applications-cases-video/rechargeable-solid-state-smd-battery-for-iot-applications/2431020
https://www.tdk.com/en/tdknext/solution/cera_charge/index.htmlトヨタとパナが組んで設立したPPESは「CATLには絶対に負けられない」と意気込む中、TDKかCATLと手を組むというのは、面白い構図ですね。。。
これに限らず、CATLが他の企業への投資についても注目したい。
(CATL:優良上場企業への総投資額を3040億円に:https://bit.ly/2R2yarg)