eスポーツを教育に 数学や英会話学習 島根、鳥取両県で取り組み
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対戦型ゲームで勝敗を競う「eスポーツ」を教育に取り入れる試みが、島根、鳥取両県で始まっている。ゲームを題材に数学を学んだり、外国人と英会話でコミュニケーションを取りながらゲームを進めたりする学習などだ。子どもに人気のゲームを教材に使うとあって、保護者や教育関係者から熱い視線が注がれている。【杉本修作】
島根県で活動の中心となっているのは、2020年2月に発足した出雲市の一般社団法人島根県eスポーツ連合。代表の影山晃広さん(37)と事務局長の木村一彦さん(46)は、「保護者にとって、ゲームはまだまだ遊びと思われがち。教育に結びつけることで、そうした偏見を変えたかった」と語る。
同連合が取り組んでいるのが、シューティングゲームと数学を融合させた学習だ。数学の塾講師の監修を受け、銃で弾を撃つ角度と命中する位置から、三角比を学ぶ。また、人気のすごろくゲームで、確率を学ぶ学習方法も開発した。
鳥取市を中心に活動する一般社団法人鳥取県eスポーツ協会が取り組むのは「ゲーミング英会話」。協会では、「ディスコード」というオンラインの通話システムを使い、外国人と一緒に、英語を使ってシューティングゲームをプレー。作戦を練ったり、指示を出し合ったりすることにより、自然に英会話を学べる仕組みだ。代表の渡部裕介さん(30)は「好きなゲームを通じた学習のため、子どもたちののみ込みも早い。1カ月程度で、ゲームのやり取りに困らない程度の会話力が身につく」と話す。渡部さんはナイジェリアのeスポーツ協会と連携するなどゲームを通じた国内外の交流にも力を入れている。
目がキラキラ
今年2月には島根、鳥取の両団体により、出雲市の結婚式場「アンジェグレースガーデン」で、教育とeスポーツを融合したイベントが開催され、講義や実演が行われた。小学生から高校生まで、幅広い世代の子どもたち約100人がゲームを通じて数学や英語を学んだ。影山さんは「講義を受ける子どもたちの目がキラキラしていた。学びのきっかけになっていた」。
イベントには多くの教員や教育委員会の関係者らも参加。「部活を立ち上げた場合、指導者をどう確保すればいいか」など突っ込んだ質疑も交わされ、関心の高さがうかがえた。島根県の連合では現在、県内の高校でeスポーツ部を作ってもらおうと、行政や高校への働きかけを進めており、影山さんは「eスポーツと教育の結びつきを強め、いつかeスポーツを島根、鳥取の文化にしていきたい」と話した。
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