笠松競馬不正 管理甘くルール形骸化放置 町のガバナンス効かず

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笠松競馬を巡る不祥事について謝罪する(左から)平井克昭管理者代行、管理者の古田聖人笠松町長、副管理者の小島英雄岐南町長=笠松町常盤町の笠松中央公民館で2021年4月21日午後7時6分、井上知大撮影
笠松競馬を巡る不祥事について謝罪する(左から)平井克昭管理者代行、管理者の古田聖人笠松町長、副管理者の小島英雄岐南町長=笠松町常盤町の笠松中央公民館で2021年4月21日午後7時6分、井上知大撮影

 笠松競馬(岐阜県笠松町)の騎手らによる不正な馬券購入問題で露呈したのは、内部調査で不正を把握できない県地方競馬組合の管理体制の甘さや、ルールの形骸化を放置し続けていた組合の怠慢だった。レースを主催する組合は21日、関係者の処分と再発防止策を公表したが、信頼回復の道のりは遠そうだ。【熊谷佐和子】

 「いわば中小企業の社長が大企業の経営も担うようなもの。時間的に余裕がなかった。目配りできない部分があった」

 21日の記者会見で、組合トップの管理者でもある古田聖人笠松町長は、自身の立場をこのように表現した。笠松競馬の年間の売り上げは、町の一般会計予算(約70億円程度)の4倍強に当たる約300億円。笠松競馬と命運を共にするはずの自治体が、内部統治(ガバナンス)を効かせることができなかった責任は大きい。

 問題を巡っては2020年6月、元騎手ら4人が競馬法違反容疑で県警の家宅捜索を受けた。組合も昨秋、現役の騎手ら計117人に馬券購入の有無を聞き取り調査し「違法な馬券購入は確認されなかった」と結論づけていた。

 だが、その後の第三者委員会の調査によると、計12人が馬券を購入し、馬の調子を教える代わりに金銭を受け取っていたといった事案が長年にわたって行われて…

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