[ソウル 28日 ロイター] - 世界2位の半導体メモリー大手である韓国のSKハイニックスは28日、世界的な半導体不足に対応し、2022年に予定していた設備投資の一部を今年下期に前倒しする方針を明らかにした。ただ、それでも供給拡大が実現するのは来年になるとの見通しを示した。

この日発表した第1・四半期決算は、営業利益が66%増加したものの、アナリスト予想には届かなかった。

営業利益は前年同期比66%増の1兆3000億ウォン(11億7000万ドル)。リフィニティブ・スマートエスティメーツがまとめたアナリスト20人の利益予想(1兆4000億ウォン)を下回った。

売上高は前年比18%増の8兆5000億ウォン。

SKハイニックスは、残りの年内も半導体需要が高まると予想。「幅広いIT(情報技術)市場において、予想を上回る現在の需要の伸びが続く中、顧客の半導体在庫は急速に減少すると見込んでいる」と説明。

ラップトップなどの機器に幅広く使用されるDRAM半導体の供給は年内を通じて引き続きタイトになる見込み。データストレージ分野で使用されるNAND半導体の需要と価格も想定以上のペースで拡大・上昇する見通しという。

NH投資証券によると、第1・四半期のPC出荷台数は前年比55%増加。PC市場はここ10年で約2%縮小していたが、新型コロナウイルス禍を受けた在宅勤務の拡大などで拡大に転じ、半導体需要も高まった。

しかし、需要の高まりに加え、ルネサスエレクトロニクスの工場火災や米テキサス州の寒波で半導体の供給が逼迫し、自動車メーカーが生産一時停止に追い込まれている。

ケビン・ノー最高財務責任者(CFO)はアナリストとの会議で「当社の(半導体)在庫は今年後半に一段とタイトになる見通し」と述べ、世界的な半導体不足の緩和につながるさまざまな選択肢を検討していると説明した。

22年の投資計画のうち、どの程度前倒しするかは明らかにしなかった。20年の設備投資額は9兆9000億ウォン(89億ドル)だった。

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