2021/4/29

【必読】伸び続けるスタートアップは、ここが違う

NewsPicks 副編集長(サンフランシスコ支局長)
本当に難しいのは「ゼロイチ」より、会社を「スケール」させることだ。
話題のスタートアップが、時代の徒花で終わるのか。それともグーグルやツイッターのような、世界的な企業に化けられるのか。
実は新しいアイディアを形にする「ゼロイチ」より、「10から1000」にスケールする過程の方が、はるかに参考情報が少ない。
だから、キラキラしたスタートアップのCEOも、あらゆる“成長痛”に悩んでいる。
そうした疑問に答えるハンドブック『爆速成長マネジメント』(日経BP社)を上梓し、シリコンバレー屈指のエンジェル投資家として知られる、イラッド・ギル氏にインタビューした。

「ゼロイチ」の先がない

シリコンバレーにおいて、私は起業家であり、投資家であり、テクノロジー企業の社員として、多くの仕事に関わってきました。
2001年にシリコンバレーに来ると、グーグルの主にモバイル分野で働きました。
その後、みずからスタートアップを創業し、その会社をツイッターに売却(2009年)しました。当時のツイッターは、まだ社員が90名しかいませんでした。
そこから2年半で、社員が90人から1500人に爆発的に増える期間、副社長として奔走しました。
なにかトラブルがあれば飛び込む。M&Aチームにも関わり、1ダース(12社)以上のスタートアップの買収をやり遂げました。人材採用にも駆り出されました。
(写真:Leon Neal / Getty Images)
同時に、私は活発にエンジェル投資をするようになり、30社以上のスタートアップに投資をしてきました。
そこにはエアビーアンドビー(Airbnb)やコインベース(Coinbase)、ストライプ(Stripe)、スクエア(Square)、ピンタレスト(Pinterest)が含まれます。
こうしたスタートアップを作る「ゼロイチ」については、すでに多くの情報が出回っています。
問題なのは、そこから勝ち上がって、急成長するスタートアップがぶち当たる悩みに、答えてくれる情報がほとんどないことです。
私が筆をとった理由は、爆速スタートアップの経営者たちから、繰り返し、繰り返し、同じ悩みについて聞かされてきたからです。
私が素晴らしいと思っている、実践者たちとの「対話」を通して作りました。
*下記、本書のコンテンツから、そのハイライトとなる部分を抜粋して、5つのQ&A形式に編集しています(一部、読みやすくするため改行、読点の変更、内容の省略を独自に行っています)
革新的なプロダクトが、世の中で大きな注目を集める。ここまでは、良い。周りからチヤホヤされて、急成長を素直に喜べる。
問題はそこからだと話すのは、ベンチャーキャピタルのアンドリーセンホロウィッツ創業者、マーク・アンドリーセンだ。主に、次の3つの壁が待ち受ける。
1.市場シェアを取り切ること
2.次なるプロダクトを生み出すこと
3.残り全部(組織を作り上げる)