【越境EC】コロナ禍での海外配送は? 国内大手3社の料金を比較

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日本郵便は4月15日、EMS(国際スピード郵便)に特別追加料金を導入することを発表した。
これは、6月1日より実施されるもので、現行のEMS通常料金に加え、新たに特別追加料金が加算されるものだ。
また、アメリカについては、現在、配送は中止となっているが、6月1日よりEMSは再開される見通しである。
今回は、この日本郵便のEMSとヤマト運輸の国際宅急便、佐川急便の飛脚国際宅急便の国・地域における重量別配送料を比較した。

Contents

(1)【日本郵便】EMSの特別追加料金
(2)【ヤマト運輸】国際宅急便 ゾーン別配送料金
(3)【佐川急便】飛脚国際宅急便 エリア別配送料金
(4)【東京〜アメリカ間】日本郵便、ヤマト、佐川の配送料金比較


(1)【日本郵便】EMSの特別追加料金

4月15日、日本郵便の「お知らせ」によると、EMSについて特別追加料金を導入すると発表した。
これは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響による航空輸送量の減少に伴い、輸送コストが高騰しているためで、6月1日より導入される。

特別追加料金の適用対象地帯は、第2地帯(オセアニア、北中米、中近東、ヨーロッパ)となっている。

また、現在、EMSで配送できないアメリカに関しては、6月1日より本追加料金を適用することで、再開することとなった。
EMSにおける主な国・地域の現状料金と、6月1日より実施される特別追加料金以下にまとめた。
重量による細かい設定はあるが、ここでは1kg、2kg、5kg、10kg、15kg、20kg、25kgとし、
各エリア別の料金表は以下の通り。

■EMS・アジア(第1地帯)は特別追加料金は導入されない。
(韓国、中国、香港、台湾、タイ、シンガポール、インド等)

図01

■EMS・北米など(第2-1地帯)は6月1日より特別追加料金が発生する。
(アメリカ、カナダ、サウジアラビア、ニュージーランド等)
※表内の青字は特別追加料金

図02

 

■EMS・ヨーロッパ(第2-2地帯)は6月1日より特別追加料金が発生する。
(イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ポーランド、ロシア等)
※表内の青字は特別追加料金

図03

 

■EMS・南米、アフリカ(第3地帯)は特別追加料金は導入されない。
(ブラジル、アルゼンチン、エジプト、ケニア、南アフリカ等)

図04

参考:

2021年4月14日現在のEMSでの主な配送不可となっている国・地域は以下となっている。
アメリカ、オーストラリア、アラブ首長国連邦、イスラエル、インド、カナダ、カンボジア、キューバ、ギリシア、サウジアラビア、ジャマイカ、ブラジル、ベネズエラ、ペルー、ミャンマー、モンゴル、ルーマニア、ロシア等。

参考:「国・地域別の差出可否」

ゴールデンウィーク中の国際郵便(国際通常郵便・EMS・国際小包・eパケット等)について集荷は通常通り行われる。
また、UGXについては2021年4月29日(木・祝日)および5月1日(土)~2021年5月5日(水・祝日)の間は、国内配送および通関、海外への発送およびUGXサポートデスクを休業となっている。

(2)【ヤマト運輸】国際宅急便 ゾーン別配送料金

国際宅急便は世界200を超える国・地域に「ドア・ツー・ドア輸送」が可能。
ヤマト運輸の場合の海外配送は、アメリカの貨物運送会社ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)が協力し行っている。

配送可能な荷物は3辺合計160cm以内・重量25kg以内である。
東京からアメリカのカリフォルニア州まで60cm以内、2kgまでの荷物を発送する場合、配送料は2,750円。
国際宅急便の場合、ゾーンは1から4まであるが、ここではゾーン1からゾーン3までの料金を重量別に示した。

■ゾーン1:韓国、台湾、香港、マカオ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、べトナム、他

図05

■ゾーン2:オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、インド、他

図06

■ゾーン3:イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、ベルギー、スイス、オーストリア、イタリア、スペイン、トルコ、他

図07

参考:「国際宅急便国別ガイド」

以下の国・地域の場合、依頼主、または届け先のどちらか一方でも個人の場合、書類以外の荷物は取り扱いが不可となっている。

  • アジア圏:中国・フィリピン・モンゴル・インド
  • 北米・中米圏:カナダ・メキシコ
  • 南米圏:アルゼンチン・パラグアイ・ブラジル・ベネズエラ
  • ヨーロッパ圏:ポルトガル・ロシア
  • 中近東圏:カタール・サウジアラビア

その他、紛争などで配送できないのは、ミャンマー、北朝鮮、イラン。
通関手続きで時間を要する国は、現在、イギリス、ドイツ、スペイン。(スペインなど1ヶ月以上通関に時間を要している)

現在、コロナ禍の影響で配送日数は約1〜2週間程度は必要とのこと。
特に、イギリス、ドイツ、スペインに関しては通関手続きに日数を要している。
また、このゴールデンウィーク中の4月29日(木)〜ら5月5日(水)間は国際宅急便の営業は休止となる。

参考:「海外へお届け 国際宅急便」

(3)【佐川急便】飛脚国際宅急便 エリア別配送料金

飛脚国際宅急便は世界220以上の国や地域にドアーツードアーで配送が可能。
海外配送できるものは、最大3辺の合計が260cm以内、重量50kg以内の荷物が対象である。
佐川急便の場合、各お届け国・地域を8地帯(A~G)に分け、小荷物/書類別に細かく設定した運賃で、重量は0.5kg刻みの体系で利用が可能。
また、佐川急便の海外配送は、DHLが協力し配送される。

東京からアメリカのまで2kgの小包を発送する場合の配送料は、8,200円である。
A~Gの8つのエリアのうち、C、D、E、Fの主な料金(ビジネス小包便)については、以下の内容となっている。

■Cエリア:中国、タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン

図08

■Dエリア:インド、オーストラリア、ベトナム、ニュージーランド

図09

 

■Eエリア:アメリカ、カナダ、メキシコ

図10

■F:ヨーロッパ

図11

飛脚国際宅急便で現在、配送できない国は、ロシア、イラン、タジキスタン、キューバ、カンボジアとなっている。
配送に日数に関しては、アジア圏、アメリカ、ヨーロッパ等はDHLを要しても1週間前後は必要とのこと。
GW中はカレンダー通りの営業となるが、4月29日に受け取りの荷物は5月1日より配送手続きができるが、5月2日〜5日分に受け取った荷物は、5月6日より、海外配送手続きとなる。

参考:

 

(4)まとめ:【東京〜アメリカ間】日本郵便、ヤマト、佐川の配送料金比較

日本郵便(EMS)、ヤマト運輸(国際宅配便)、佐川急便(飛脚国際宅配便)を利用し、東京〜アメリカまで配送する場合、重量別の配送料金を以下に示した。
(日本郵便のEMSについては、6月1日から導入される、現行の配送料と追加特別料金の合計金額とした。)

図12

25kgまでは、現在、ヤマト運輸(国際宅急便)が最安値である。

また、DHL、Fedexを利用する場合の海外配送料金については、「【越境EC】EMSが休止の今 FEDEXとDHLを比べてみた」を参照いただきたい。

 

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