[ソウル 27日 ロイター] - 韓国中銀が27日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、季節調整済みで前期比1.6%増加し、予想を上回った。輸出主導の景気回復が続いたほか、政府の中小企業支援も寄与した。

2020年第4・四半期の1.2%増(改定値)から伸びが加速した。ロイターがまとめたアナリスト予想中央値は1.0%増だった。

第1・四半期GDPは前年比で1.8%増加し、第4・四半期(改定値)の1.2%減からプラスに転じたほか、予想(1.1%増)を上回った。

新型コロナウイルス危機に見舞われた昨年はGDP成長率がマイナス1.0%と、1998年以来の大幅な落ち込みとなったが、半導体や電子製品の輸出がけん引する形で回復を遂げてきた。

第1・四半期GDPの内訳は輸出と設備投資がそれぞれ前期比で1.9%と6.6%増えた。民間消費は1.1%増と、前期の1.5%減から増加に転じた。

ただ、韓国政府は新型コロナ感染第4波への懸念から今月初旬に行動制限を強化し、中銀は同月、コロナ感染者の急増が景気に対する新たな下振れリスクになっていると警告。ただ、中銀は堅調な輸出と消費の回復が引き続き景気拡大の原動力になっているとの認識も示した。

中銀の李柱烈総裁は今月15日、今年は「3%台半ばの成長も大いにあり得る」と述べ、従来3%としていた今年の成長率見通しを引き上げた。

Hiインベスト&セキュリティーズのエコノミスト、Park Sang-hyun氏は「経済成長は今四半期から来四半期にかけてピークを迎える。製造業各社が競って輸出受注に対応する中、堅調な設備投資と輸出が(経済成長の)勢いを支える」と説明し、「第2・四半期の成長率も同じように強い数字になる」と指摘した。

現代自動車が先週発表した第1・四半期決算は、高級車の販売好調で利益が約3倍に増え、4年ぶり高水準となった。

半導体のSKハイニックスやサムスン電子などが今週発表する第1・四半期決算も大幅増益が見込まれている。

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