2021/4/27

【解説】航空業界の新たな活路は「ビッグデータ・ビジネス」

INDEX
  • 加速する飛行機の「世代交代」
  • まるで「巨大なヘルストラッカー」
  • 部品の故障も予測可能
  • 年間数百万ドルの節約効果
  • 130社のデータを「統合」
  • 若い会社はデジタル化を先取り
  • ビッグデータに組み込まれる航空業界

加速する飛行機の「世代交代」

運航便数が減り、乗客はさらに減るという状況の下、航空会社は新型コロナウイルスのパンデミックがもたらした数々の難題に直面している。世界の旅客数が2019年の約50%で推移するなかで、破綻する航空会社もあれば、なんとか生き延びている航空会社もある。
運ぶべき乗客が見当たらない現在、航空会社は通常よりも速いペースで、古くなった機体を引退させている。
経営コンサルティング会社オリバー・ワイマンの予測によると、2020年に使用停止となり、そのまま引退する可能性のある飛行機は1400機を超えるという。これは、1年間で引退する航空機の数としては、通常の2倍以上だ。結果として、新型の航空機への移行が速く進むことになるだろう。
(Andriy Onufriyenko/Getty Images)
楽観的な見方をすれば、各社が保有する航空機はより燃費効率が高く、二酸化炭素排出量もより少ないものになるだろうと、エアバス社でデジタル・ソリューション・マーケティング責任者を務めるデビッド・マーティは指摘する。
メーカーによると、新しいエンジン技術と、軽量化された構造と部品のおかげで、ボーイング787とエアバスA350は、旧型の飛行機よりも燃料を20%から25%節約できる。

まるで「巨大なヘルストラッカー」