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鈴木純男「保険会社に流されない『コロナ下の保険選び』のツボ」

SOMPOひまわり生命が発売した日本初の「タバコを吸わない人限定がん保険」は何がスゴい?

文=鈴木純男/金融ジャーナリスト
SOMPOひまわり生命が発売した日本初の「タバコを吸わない人限定がん保険」は何がスゴい?の画像1
SOMPOひまわり生命保険の本社がある新宿セントラルパーク(「Wikipedia」より)

 生命保険商品の提供を通じて「お客さまを健康にする」取り組みにチャレンジし続けている注目企業が、SOMPOひまわり生命保険だ。

 同社は保険(インシュアランス)と健康応援(ヘルスケア)を組み合わせた「インシュアヘルス」という「新たな価値」(同社)を提供することを社是に掲げ、既存の生保商品の概念を覆す保険を次々と投じて、生保業界に旋風を巻き起こしている。今、最も勢いがある生命保険会社の1社と言っても過言ではないだろう。

 そのSOMPOひまわり生命がインシュアヘルス商品の第8弾として販売開始したのが、非喫煙者向けのがん保険「吸わんトク がん保険」である。

 がんになった場合に入院・通院・投薬などの治療費を保障する保険商品は数あれど、「タバコを吸わない人」に限定した保険はこれまで存在しなかった。

 同社には、喫煙者と非喫煙者がどのぐらいがんになりやすいかなど、これまでの保険契約の蓄積がデータとしてあり、それに基づいて商品開発や保険料設定をしたという。「同程度の保障内容の他社のがん保険と比べて、価格優位性は非常に高い」(同社)という。

商品の特徴はどこにあるのか

 国立がん研究センターによると、タバコを吸うことで肺がんのリスクは男性で4.5倍、女性で4.2倍に増加する。がん全体でも男性で1.6倍、女性で1.5倍もリスクが高まるという。しかしながら、これまで発売されているがん保険では、喫煙者も非喫煙者も保険料は同一だった。

 ここに風穴を開けたのが同社商品であり、商品名の「吸わんトク がん保険」には「タバコを吸わない人のがん保険は、もっとおトクであるべきだ!」という思いが込められているという。

 同商品はインターネット専用商品であり、特徴は以下の5点に集約される。

1.たばこを吸わない人(たばこを過去1年以上吸っていない人)専用のがん保険で保険料が安い。

2.手続きはネット完結で、クレジットカード決済。

3.がん治療が続く限り、一定金額を毎月保障(基本は120カ月限度)

4.がん治療が続く限り、まとまった金額を1年に1回、回数無制限で保障。

5.加入後にがんリスク検査(有料)を利用でき、がんの早期発見・早期治療を支援。

 このほか、上皮内がんでも全額保障されるほか、「自由診療がん剤・ホルモン剤治療給付金」があり、所定のがんで抗がん剤やホルモン療法を受けた場合に通算12カ月を限度に毎月給付金が受け取れる。また、がんで所定の乳房再建術を受けた場合、がん治療給付金と同額が給付される。

 ただし、先進医療特約は付帯できないというデメリットはある。

これまでのインシュアヘルス商品

 SOMPOひまわり生命は2018年4月にインシュアヘルス型商品の第1弾、収入保障保険「じぶんと家族のお守り」を発売して以来、3年間で8つの新商品を市場に投入してきた。

「じぶんと家族のお守り」は、保険加入後に健康になった場合に以後の保険料を値下げするだけでなく、契約日に遡って保険料差額相当額を返金するという日本初の仕組みを取り入れており、ヒット商品となっている。

 その後、業界初となる軽度認知障害(MCI)を保障する認知症保険「笑顔をまもる認知症保険」を投入するとともに、認知機能の低下予防を支援するサービスの提供も開始している。

 また、第5弾商品として2019年12月に発売した「医療保険BLUE」は、糖尿病の重症化を予防する機能を搭載した専用商品で、糖尿病の人が加入後に健康状態が改善するなどした場合に、5年後に健康な人と同じ医療保険に移行できるという斬新な商品だ。

 同社が発売した商品群に共通するのは、単に保障の提供だけでなく、商品そのものに「より健康になる」「病気の状態が良くなる」「運動など健康増進を促す」ための仕組みを設けているのに加えて、各種無料・有料の付帯サービスの提供を通じて、まさに「健康になることを応援している」ことにある。

 現在、生命保険会社は国内で42社存在するが、これだけ徹底して「健康応援」にフォーカスした商品を出し続けているのは同社だけであり、その徹底ぶりには“凄み”さえ感じる。

実際にどのぐらいの効果が出ているのか

 ただ、課題は、これらの商品が本当に契約者の健康増進や病気の状態の改善に役立っているかということだ。商品開発のコンセプトはとても良い。そして、実際に保険商品の売れ行きは良い。しかし、商品性や話題だけが先行して、実際に成果を上げているかについては、検証する必要があるだろう。

 同社は第1弾の「じぶんと家族のお守り」については、加入後に健康になった人は一定数おり、実際に保険料の割引や返金につながった人がいると明かしているが、それ以外の商品についてはどうなのか。

 多くの商品が、発売から1~3年が経過している。加入者の健康状態の改善や保険金・給付金の支払い実態などについて、積極的に情報開示してもいいのではないだろうか。

(文=鈴木純男/金融ジャーナリスト)

鈴木純男/金融ジャーナリスト

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