2021/4/24

【ルポ】「トランプの消えたツイッター」はどう変わったか?

INDEX
  • 連邦議会襲撃の2日後に停止
  • 「突然に空が青くなった気分」
  • 「怒りを感じるために読む」
  • トランプは「消えてはいない」
  • 「論争再燃」に熱狂する人々
  • アンチも「ロス」に陥る理由

連邦議会襲撃の2日後に停止

最近、ツイッターからゲイリー・カバリの耳に届くのは、心安らぐ静寂の音だ。具体的に言えば「ドナルド・トランプ元大統領の沈黙」だ。
71歳のカバリは「血圧が20も下がりましたよ」と言う。彼はトランプを嫌いながらも熱心にフォローしていたが、そんな日常もトランプのアカウントが1月に永久に停止されたことで終わりを告げた。「ウソだらけのツイートを読まずに済むようになって、人生はかなり幸せになりました」
それはまるで昨日のことのようにも、あるいは大昔のことのようにも感じられる――トランプがツイッターの世界で我が物顔に振る舞い、自分自身を称賛し、敵を侮辱していた日々のことだ。
句読点の使い方がめちゃくちゃで、単語のスペルも独創的で、事実関係に問題のある「すべて大文字で書かれた罵倒」が果てしなく続く。そんなツイートが、あらゆる方面を激怒させ、歓喜させ、恐怖に陥れていた。だが、そのすべては1月8日に終わった。トランプの扇動的な発言にそそのかされた暴徒が連邦議会を襲撃し、大統領選挙の結果を覆そうと衝動的に行動した、その2日後のことだ。
アカウントの永久停止から100日が経過した。この措置は、ソーシャルメディア時代の表現の自由や検閲についての問題を提起し、トランプ支持の共和党員を動揺させ、今でも自分が選挙で負けたという事実を受け入れていない前大統領の怒りに油を注いだ。
Michael Nigro/Pacific Press/LightRocket via Getty Images

「突然に空が青くなった気分」