いまさら聞けない「GDP」の読み解き方――アフターコロナの世界経済はどうなる?

EL BORDE (エル・ボルデ) - デキるビジネスパーソンのためのWEBマガジン
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GDPの説明.この辺りは経済学部の学生でなくてもさらっと理解しておいてほしいところです.学生さんにもさらっと見ておいてほしいということで.PICK.
大事な基本知識ですね。
GDPを正しく理解できると、実は日本の実態がよりクリアに見えたりします。
以下、面白い観点の補足をさせていただきますね。
「名目」と「ドルベース」についてです。

まず、個人的には「名目」が好きです(笑)
なぜかというと、デフレ下では「実質GDP」は世界との差を誤解させる可能性があるため、です。

同記事では「実質」のほうが成長率を知れるとあるのですが、国単体で見た場合には正です。
しかし、デフレ下では、プラス成長と表現するのに都合良く働く側面があります。
名目ベースで比べてしまうと、諸外国がプラスな中、日本は成長停滞、ないしはマイナス成長であることが名目を通じて白日のもとに晒されます。

健全なインフレが続いている国は名目と実質ベースでちゃんと経済が拡大。
日本は実質のみ。

この結果どうなるか。
実は物価が下がっての経済成長は「所得水準が低くても生活が成立する」ため、給与抑制のインセンティブが企業や社会に働く可能性があります。
これが続くと負のスパイラルになります。いや、既になっています。

これが時々「給与上げ」の議論が生じる理由です。
デフレ脱却の意味において、とても正しい意見です。

要は、実質GDPだけで日本を見ると、デフレ下では「ガラパゴス化」のように、日本だけ「俺たち成長している」幻想のリスクがありますのでご注意を。


この影響が身近に感じられる時は何か。

海外に旅行しようとすると、「最近欧米だけでなくアジアも物価高くなったわよね~」と諸外国の水準の高さに悩まされる日がそろそろ来ます。既に来てます。

ここは為替相場も関わるので一概には言えませんが、本来的には為替も経済力にある程度連動し、中長期ではこの影響を増幅します。

この為替も合わさった影響が出た最たる例が2013年。
日本のGDP成長率は2.0%なのですが、実はドルベースでみると1兆ドル(17%くらい)減少します(笑)
つまり、世界にいくと平均的に17%ものが高くなりました。

この年の名目/実質成長率を円/ドルベースそれぞれでぜひ見てください。
衝撃を受けます(笑)

このGDPを理解して日本や世界を見ると本当に面白いので、ぜひお試しください。

国別はWorld Bankのサイトで無料で入手できます。
https://data.worldbank.org/