【秘録】ユニコーン投資の「空白地帯」は、ここだ
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SEAというよりも子会社のゲーム会社、ガレナ(Garena)の方になじみがある人も多いのではないでしょうか。
SEA・ガレナが主に何をしている会社かというと、シンガポールを拠点して中国、台湾、東南アジア、南米そしてインドにオンラインでゲームを供給している会社です。
創設者の李小冬(フォレスト・リー)氏は、中国出身ですが、スタンフォード大でMBA取得後、シンガポールを拠点としました。SEA・ガレナはゲーム会社として、シンガポールの地理的優位性を大いに活用しています。出資者を募ること、製品開発すること、そして、世界各地に進出すること、です。
同社の最大の後ろ盾は出資比率からいってもテンセントで、何ならシンガポールを拠点とするテンセントのゲーム部門の別動隊、といっても言い過ぎではないでしょう。配信しているゲームも、テンセントが米国などで買収したゲームが多いです。しかし、マレーシアの砂糖王で中国にも傘下企業を持つ郭鶴年(ロバート・クオック)の財閥からも出資を受けるなど、シンガポールの立地を生かしています。
SEA・ガレナはあくまでシンガポール企業なので、そのことは台湾やインドに進出するうえでも有利に働きます。インドでは、テンセントをはじめとする中国企業製アプリが禁止されましたが、SEA・ガラナは進出を続けています。
東南アジア最大のテック企業「Sea」、ゲームやEC事業の売上高倍増 背後にはテンセントの支援
https://news.yahoo.co.jp/articles/bed4773c9cc94c92538d9f35530c79e91434b76b米国から東南アジアがどう見えるかという視点で読みました。後半にある「未来への伸びしろ」の図版は興味深いですね。「ブルーオーシャン」の箇所には、ネクストユニコーンがひしめいています。
表の枠となっている中国と事情が異なる点があります。フィンテックはシンガポール、タイ、マレーシアなどの銀行が自ら動きスタートアップとの連携も進めています。SNS/ チャットはベトナムのザロのようなローカルもありますが、基本的にはワッツアップやFacebook、インスタなどのグローバル系が普及し、中国のWeChatのような巨大ローカルは当面ないでしょうし、あってもスイッチする理由もありません。同様のことはネット動画はネットフリックス等とも言えるでしょう。
オンオフの融合、Eコマース物流は一部始まりつつあります。
Eコマースが空白になっていますが、ここにはラザダ、SEA傘下のショッピーがあり、Qoo10が御三家状態になっており(親会社の関係等で表現悩みますが「ユニコーンクラス」と言っても良いと思います)、インドネシアのような大市場はトコペディアやブカラパックという地場ユニコーンが存在するほか、各国・リージョナルにポメロのようなファッション等に特化してある程度のサイズになっているものがいくつか存在します。それでもEコマース普及率や所得の上昇を考慮すると伸びしろがまだまだある。
なお、東南アジアの現地サイドの目線からの記事は下記。
4年前の記事ですが、ロケットインターネット、テンセントへの取材込。
「ユニコーン争奪戦。アリババとテンセントが飲み込むアジア」
https://newspicks.com/news/2299532/
INITIALの東南アジアユニコーン&スタートアップ特集。
「デカコーンの創出、5つのキープレーヤーから読み解く」
https://initial.inc/articles/southeast-asia-startup-1
「ネクストユニコーン50社超、鍵は「越境」」
https://initial.inc/articles/southeast-asia-startup-2
「発展途上の東南アジアSaaS、日本勢の活路は「バーティカル」にあり」
https://initial.inc/articles/southeast-asia-startup-saas日本では馴染みのないSEA(シー)というスタートアップですが、2009年に創業したこの会社、実は東南アジアにおけるあらゆる大企業や銀行などをぶち抜いて、13兆円企業となり、いま最大のテクノロジーコングロマリッドになっています。
この東南アジアのキングを見つけて、最初の機関投資をしたのが、アジア系移民としてアメリカで育った、まだ若い投資家でした。多くのVCが、ゲームビジネスだとたかをくくって、投資をしなかったSEAは、いまや東南アジアのテンセントのような、巨大企業になりました。
伝統企業が多い日本では想像できないのですが、アジアで勃興する、新しいテクノロジーコングロマリッドは、これからさらに増えてゆきます。ぜひ気鋭の投資家のインタビューを、ご一読ください。