(ブルームバーグ): 国際航空運送協会(IATA)は今年の航空業界の損失予想を26%引き上げた。新型コロナウイルスの新規感染者の増加や変異株の猛威により、世界的な移動再開はさらに遅れる見通しとなった。

IATAは21日のオンラインプレゼンテーションで、今年の損失見通しを約480億ドル(約5兆2000億円)と示し、従来の380億ドルから修正した。

ウィリー・ウォルシュ事務総長は「コロナ禍は誰もが想像していたよりも長引き、深刻になっている」と述べ、「2020年と比べて損失は減少するが、この危機がもたらす痛みは強まっている」と続けた。

航空業界は昨年に約1260億ドルの損失を出したが、今年上期の航空需要の回復には大きな期待を寄せていた。IATAによれば、航空各社にとって重要な夏季シーズンは今年も危うい状況にある。

原題:Airlines See Covid Setbacks Driving Industry to $48 Billion Loss

©2021 Bloomberg L.P.