日本叩きの本命、中国は「福島原発処理水」で長く激しく騒ぎ続ける

日米「台湾言及」阻止に失敗で政治利用

この執拗さは何のため

4月13日、日本政府は福島第1原子力発電所から出る100万トン以上の処理水を海へ放出する計画を正式決定した。それに対し、中国政府と国内メディアは異様ともいえるような過剰反応を示し、執拗な日本批判を展開した。

趙立堅・中国外交部報道官 人民網日本語版より

まずは4月9日、日本政府が処理水放出を正式決定する見通しとなったことを受け、中国外務省の趙立堅報道官は定例の記者会見にて、「周辺国との十分な協議を基礎とし、慎重に決定すべきだ」と述べ、日本側の動きを牽制した。

12日、日本政府が正式決定を行うその前日、中国外務省は「日本は常に他国に国際的な責任を果たすよう求めている。国際社会が注目するなか、日本は無視して聞き流してはいけない」と批判したうえで、外交ルートを通じて深刻な懸念を日本側に表明したと発表した。

そして13日、日本政府が正式決定をおこなった当日、中国外務省は談話を発表し、「極めて無責任で、国際公共安全と周辺国の国民の利益を損なう」と非難した。

それでも気が済まないのか。翌日の14日、前出の趙立堅報道官は記者会見でまたもやこの一件を持ち出して、「海洋は日本のごみ箱でなく、太平洋も日本の下水道ではない」と、以前よりも強い口調で日本非難を展開した。同時に趙氏は、中国側としては「さらなる反応の権利を留保する」とも表明した。

その中で趙氏は、麻生太郎財務相が処理水について「飲んでも何てことはないそうだ」と述べたことを念頭に、「飲んでから、再び言ってもらいたい」とも語ったが、「売り言葉に買い言葉」のような喧嘩腰はより鮮明になった。

そして15日、中国の呉江浩外務次官補は、日本の垂秀夫大使を外務省に呼び出して、「日本の決定は国際法と国際ルールに違反する疑いがあり、文明国家の行為ではない」と主張した上、「中国は強烈な不満を表明し、断固反対する」と述べて放出決定の撤回を求めた。

 

同じ日、例の趙立堅報道官も記者会見においてこの件に言及して、「日本の政治家が安全を証明したいのなら、自身で飲用や料理、洗濯に使ってみては」と、外交儀礼を完全に無視したような乱暴な言い方で日本への非難を強めた。そしてもう1人の外務省報道官の華春瑩氏は、海外向けの自分のツィッターで、「そんなのは責任のある国のやることか」と日本批判を行った。

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