[上海 22日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラは21日、テスラ車所有者からの苦情に適時適切に対応しなかったとして中国の消費者に謝罪し、中国でのサービス業務の見直しに着手すると発表した。

中国の規制当局や国営メディアは同社への圧力を強めている。

今回の謝罪は19日に開幕した世界最大級の自動車展示会「上海国際モーターショー」での抗議に対応したもの。モーターショーでは「ブレーキが効かない」と書かれたTシャツを着た女性がブレーキの誤作動に対するテスラの対応に抗議するためにテスラのブースに乗り込み、その動画がソーシャルメディアを通じて拡散された。

テスラによると、この女性は今年初めに衝突事故を起こしたテスラ車の所有者で、テスラは事故の原因を「スピード違反」とし、女性と車両の返却について交渉していたが、第三者による検査を巡り交渉が止まっていたという。

抗議動画が拡散されたことを受け、中国の規制当局などからの圧力が高まり、テスラが謝罪を余儀なくされる形となった。

中国の市場規制当局は21日、テスラに対し、国内での品質確保を要請。中国国営通信社の新華社はテスラの謝罪について「誠意がない」と非難した。

共産党機関紙「人民日報」系の環球時報も社説で、テスラについて「中国は今後も外国企業に市場を開放するが、外国企業に特権を与えるという意味ではない」と論じた。

また「テスラが公に示した傲慢で尊大な態度は非常に不快で容認できず、中国での同社の評判や顧客基盤に重大な損害をもたらす可能性がある」とした。

テスラはコメントを控えたが、声明の中で、ブレーキ事故に関するデータを規制当局に提出するとした。

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