慰安婦訴訟、あべこべ判決 文在寅政権の対日姿勢変化が影響?

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
慰安婦を象徴する少女像が建つソウルの日本大使館前で記者会見する支援団体の関係者=2021年4月12日、坂口裕彦撮影
慰安婦を象徴する少女像が建つソウルの日本大使館前で記者会見する支援団体の関係者=2021年4月12日、坂口裕彦撮影

 日韓関係を冷え込ませている慰安婦問題で、韓国司法の判断が二分された。元慰安婦の女性らが日本政府に賠償を求めた第2次訴訟は21日の判決で、ソウル中央地裁は原告の請求を却下。同地裁が今年1月、日本政府に賠償を命じた第1次訴訟判決を真っ向から否定した。「二つの司法判断」が生まれたことで、事態の長期化は必至。残り任期が1年余りの文在寅(ムンジェイン)政権下での問題解決は難しくなった。【ソウル坂口裕彦】

原告内部も一枚岩とは言えない

 「(慰安婦問題の)解決は、外交交渉を含む韓国の対内外の努力で成し遂げられるべきだ」。21日の判決は司法の枠組みを越え、外交努力を促す内容だった。

 「日本政府の謝罪と反省の意味が込められた救済措置だ」。法廷で裁判長は、2015年の日韓両政府の合意に基づき、韓国で慰安婦救済のための「和解・癒やし財団」が設立されたことを評価した。多くの元慰安婦が財団から支給された現金を受け取った経緯にも触れて、「合意は今も生きている」と有効性を再確認した。

 日本政府を相手取った訴訟の最大の争点は…

この記事は有料記事です。

残り2091文字(全文2544文字)

あわせて読みたい

この記事の筆者

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月