[20日 ロイター] - 米医薬品大手アボット・ラボラトリーズが20日発表した第1・四半期(1─3月期)決算は、売上高が市場予想を下回った。新型コロナウイルス検査キットへの需要が減少した。ワクチン接種の進展により、事業成長が鈍化するとの懸念が浮上している。

これを受けて、同社株は一時4%安の119.74ドルまで下落。過去1年間では30%近く上昇していた。

第1・四半期の新型コロナ検査キットの売り上げは22億ドルで、前期の24億ドルから減少した。JPモルガンによると、アナリスト予想は25億ドルだった。

昨年好調だった新型コロナ検査キットへの需要は、今年は減少する可能性が高いとみられている。

同社はこれまで病院で行っていた検査に代わり、在宅検査が主流になるとみて、対応を急いでいる。フォード最高経営責任者(CEO)は「海外で起きている傾向が、米国でも起きているようだ」と指摘。より短期間で正確なセルフ診断ができる抗原検査の「BinaxNOW」など、検査キットの開発に多額の投資を行い、当局から先月、無症状の人を対象とした市販在宅検査薬の承認を得た。

JPモルガンのアナリスト、ロビー・マーカス氏は「米国では欧州に比べて在宅検査への移行が遅れていたが、今週からアボットの『BinaxNOW』が薬局で手に入るようになった」と評価した。

リフィニティブのIBESのデータによると、純売上高は105億ドルに増加したが、予想の107億ドルには届かなかった。