将来の旅客機が今とは異なる形状になる可能性が高い理由
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トポロジー解析に拠らずヒト(技術屋)の頭で考えても、「『今とは異なる形状』とは、(複合材Multiple Bubble与圧構造を持つ)全翼機である」、と随分以前から自然の神様に告げられているように感じます。
記事にあるように、セミモノコック構造(Stressed Skin、1930年代から)による胴体+翼という形状(Configuration=形態)は、推進面での革新であったジェット化(民間では1940年代構想のコメット機から)を経て21世紀に入って久しい今日に至るまで変わっていません。
自ら貧乏設計者でありながら空の旅が好きでないのは機内が狭いからで、これも1930年代から独ホルテン兄弟や米ジャックノースロップが飛ばしている全翼機(主翼だけ)形状の旅客機とすることで少なくとも以下の課題を改善・解決できます:
1. 抵抗減による燃費向上(→運航収支、地球環境)
2. 客室レイアウトの自由度増(同じ運賃なら1席を広くできる)
3. ジェット燃焼に供しても二酸化炭素を出さず非常に軽量だが体積がべらぼうに大きい水素燃料の格納スペースを確保できる(→地球環境)
(技術的に突き詰めれば、水素燃焼型のジェット推進がグリーン長距離大型機の本丸です)
4. 座席数に対し翼幅が抑えられるので翼端を折りたたまずともランプ駐機可能(→運航の利便性)
ボーイングもエアバスも随分前からスケール機の飛行実験や概念図などは出していますが、実大レイアウトの概念設計スタディをしたという話はついぞ聞いたことがありません(それをやらずに「できない」と説く姿勢には全く技術的信憑性がありません)。それどころか、また同じ葉巻型胴体の新型機をローンチするかの経営判断で青息吐息している状態です。飛行機が好きでこの業界に入り設計をするに至りましたが、子供の頃から形も速度も変わらない旅客機にはそんな私でもいい加減飽きて来ます。
軍用機では、はるか前世紀から全翼機が世界一周任務を始めています。
メーカー経営者や技術者各位には、できない理由を一生懸命考えるより、実現する努力にこそ知恵を絞って頂きたい。
それはすなわち、市場で差別化され賞賛を浴びるドル箱商品ともなるのです。僕が子供の頃読んだ雑誌か何かには旅客機が人数あたりの二酸化炭素排出量なり何なりを総合すると一番環境に優しいと書いてあった気がしますが、それでも規制なりで縛られるほど環境に悪影響を与えている時代に突入してしまったということなのでしょうか?