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世界的にワクチンが充足する状況にない中、血栓リスクや死亡リスクなどが新型コロナウイルス感染症と天秤にかけて評価され、感染症自体の持つリスクがはるかにそれらを上回ると評価された上での出荷再開ですが、これまでに多くの人に与えた印象はそれと異なるかもしれません。

安全性を高める取り組みは、ワクチンの改良というアプローチには限定されません。

例えば、これまで50歳以下の女性に見られていることから、(まだそう結論づけるには時期尚早なものの)対象者を男性や高齢女性に限定するという方策が考えられます。

また、病態解明以前に行われていたヘパリンという薬剤の投与や血小板輸血といった治療は、この副反応をむしろ悪化させる可能性が指摘されており、この血栓症に対して異なる治療法が確立されてきました。加えて、この病態の認知が広がったことは、早期発見の可能性を高めます。このような背景から、仮に今後発症しても、これまで以上にこの血栓症を克服できる可能性が高まったのではないかとも考えられます。

このように、様々なアプローチで安全性を高めていくプロセスも重要で、実際にサイエンスコミュニティがこれだけのスピード感で新たな知見を積み重ねてきたところにらは、目を見張るものがあります。今後もさらに知見が積み重なり、ますます安全性が高められることも期待されます。
J&J製のワクチンについても、非常にまれな副反応ながら、血栓症発症との因果関係を認めるとした模様です。

2021年4月8日の記事「アストラセネカ製ワクチンでのまれな血栓症の発症」の記事に対し、製薬企業で医療用医薬品の商品企画をしていた経験から、比較的多くの医薬品で、非常にまれに、「血栓症」が副作用としてあらわれることを見てきたとコメントしました。
https://newspicks.com/news/5748360?ref=user_1310166

他の医薬品のケースでは「注意書きへの警告記載」を求められていました。今回のJ&J製のワクチンでも同じように求められています。

医薬品の副作用として、ごくまれに起こる重症の「血栓症」に関しては、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP=Thrombotic Thrombocytopenic purpura)と呼ばれる病態が典型的に報告されています(他の医薬品でも)。特に生物学的製剤で、起こることが多い(といっても、ごくまれに)ようです。この副作用(副反応)が一定頻度以上発生する場合は、大抵は発売禁止措置が取られます。もちろん、ベネフィットがリスクを上回る場合(発現頻度が少ない場合)は「警告記載」はおこなうものの、販売は継続されます。

この病態は、血小板が大量に消費されるため減少し、溶血性貧血が伴い、原因は完全には解明されていませんが、薬剤の投与が引き金となる免疫異常によるものと考えられています。

今回の報道では、TTPとは書かれていませんが、薬剤性の血栓性血小板減少性紫斑病特有の症状と、記事中の説明とは少なくとも一致しています。

なお、他のワクチンでも極低頻度で発症する可能性は当然にあります。