[シドニー 20日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は20日に公表した4月の理事会議事要旨で、国内経済の回復はこれまで予想を上回っており、今年と来年に「基調を上回る」景気拡大を遂げる可能性が高いとの見通しを示した。ただ、金融政策の引き締めは依然として急がないとした。

豪中銀は6日の理事会で、政策金利を過去最低の0.1%に据え置くとともに、失業率の低下とインフレ率の加速に向けて必要な限り緩和的な政策を維持する方針を改めて示した。

昨年には3回の利下げを実施し、3年債利回りを0.1%に維持するための措置を導入。長期債を対象とした大規模な量的緩和にも着手した。

議事要旨では、実際のインフレ率が2─3%の目標範囲内に持続的に収まるまで、中銀がこうした支援スタンスを継続することが示された。中銀は早くても2024年までこの目標は達成されないとみている。

議事要旨では「全体として、暫定データは1─3月期の国内総生産(GDP)が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準付近まで一段と回復した公算が大きいことを示している」とし、従来予想より回復時期が早まっているとの認識を示した。

また、今年と来年の景気拡大は「基調を上回る」ペースになると予想した。

一方で「こうした全般的に前向きな動向にもかかわらず、賃金と物価の上昇圧力は依然抑制されており、数年にわたり同様の状況が続く見通しだ」と指摘。経済にはかなりの余剰能力があり、失業率は依然として高過ぎるとの見方を示した。

金融緩和策で経済活動全般が支援される一方、住宅市場では価格の大幅上昇が見られている。

理事会では住宅価格上昇が議論され、今月9日に公表された半期に1度の金融安定報告の説明も行われた。

*内容を追加しました。