[オタワ 19日 ロイター] - カナダ政府は19日、温室効果ガスの排出削減目標を引き上げるとともに、初のグリーンボンド発行計画を発表した。

今会計年度(来年3月まで)予算で、温室効果ガスを2030年までに2005年比36%削減するとの目標を掲げる。従来目標は30%だった。カナダは2050年までに排出量を差し引きゼロにするとしている。

新たな目標は「近日中に」設定される予定で、トルドー首相が22日から開催される気候変動関連のサミットに出席した際に表明するとみられる。このサミットはオンライン形式で、バイデン米大統領が主催する。

また、カナダは今会計年度中に、国債総発行額の約2%にあたる50億カナダドル程度のグリーンボンドを発行する計画。

グリーンボンドとは、再生可能エネルギーや、二酸化炭素排出が少ない輸送手段など、環境分野への取り組みに特化したプロジェクト向けの資金を調達するために発行される債券。

さらに予算案では、「グリーン・リカバリー」を支援するための資金として176億カナダドル(141億ドル)を振り向ける。これには、グリーンテクノロジーに特化した企業への投資や、ゼロエミッションを実現した企業の法人税を50%軽減すること、グリーンテック企業への投資と誘致を目的とした基金に50億カナダドルを追加することなどが含まれる。