デザイン思考は「切り札」か「たわごと」か? その“違和感”の正体
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システム思考とデザイン思考の組み合わせが大事ということかなと思います。
システム思考というのは、いかに俯瞰的に物事を観るか? ということです。分断された「系統」として考えると、全体の中では見えなかったことが色々な観点から見えるようになりますが、逆に関係性を見失うこともあります。分断しながら関係性を見て、最後はもとの全体像に統合し、俯瞰的なものの見方をする… という考え方です。
一方で、デザイン思考は「人間思考」とも言えるかなと思っています。「顧客にどのように使われる可能性があるか?」ということを考え、ユーザーとの対話を大事にするということ。そんなふうに、全体を捉える力と、使う人、関わる人たちの視点でものを考えることの両方がDXを進める企業には求められているのだと思います。コンサルタントの視点からのデザイン思考批判といったところでしょうが、論点がイマイチ分かりづらい。
私論を述べさせて貰いますと、人間中心かどうかはテーマによって変わるので置いといて、もう1つのデザイン思考の着眼点であるホリスティック(全体性)をどう捉えるかでしょう。
恐らくコンサルタントはMECEやロジックツリーから推測されるように、部分の集合が全体になるように問題を独立に切り分けます。単純な結合則が成り立つ線形発想とも言えるかもしれません。一時期複雑系が流行りましたが、収益逓増の指数関数止りでしたね。
デザイン思考が複雑系や非線形かというとそうでは無いでしょうが、独立した要素に割り切らない相互作用項のようなインタラクションを加味する傾向があるように思います。
つまり因果関係の矢印を特定方向に決めつけないで、フィードバックを考慮したシステムを志向する傾向にあるように感じますが、知る限りでは定量的な手法までには至って無いですね。
最近ではヒューマン・イン・ザ・ループをAI界隈でも強調するようになってきたので、抽象的なデザイン思考の方向性はこちらに行き着くのではないかと思います。
あとは佐藤可士和さんが手掛けるようなタンジブルなロゴやデザインを多用した組織開発といった具体的なデザイン思考も1つの方向なのかもしれません。
どちらにしても従来のコンサルタントが提供していた演繹的な公理系が示す世界観に広がりを与えるための発想の転換がデザイン思考なのかもしれません。それが相互作用項の導入であればコンサルタントも対応しやすく、絵心の必要なタンジブルなアウトプットが求められればデザイナーが必要になってくるのかと思います。