[モスクワ 19日 ロイター] - ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が19日、受刑者用の病院に移送された。同氏は刑務所でハンガーストライキに入り、健康状態の悪化が指摘されていた。

ナワリヌイ氏(44)は脚と背中の痛みを訴えたものの治療を拒否されたことに抗議するため、3月31日にハンガーストライキに入った。その後、健康状態の悪化が伝えられ、収監中に死亡した場合、ロシア政府の責任を問う声が国際的に高まっていた。

刑務所当局は、ナワリヌイ氏を受刑者用の病院に移送することを決定したと発表。容体は「満足できる」状態で、同氏の同意の下で「ビタミン療法」を行うとした。

一方、ナワリヌイ氏の弁護士、アレクセイ・リプステル氏はロイターの取材に対し、ナワリヌイ氏と面会したものの、同氏の健康状態は悪化しており、状況は「悪くなる一方」だと述べた。ナワリヌイ氏は自らが希望する医師との面会が再度拒否されたため、ハンストを継続する意向という。

米政府は、ナワリヌイ氏が収監中に死亡すれば「結果を伴うことになる」と警告。欧州連合(EU)はこの日の外相会合でナワリヌイ氏を巡る問題について討議する。

ロシア国内では週内に大規模な抗議活動が予定されているが、当局はこうした活動を禁止。警察当局はこの日、抗議活動に参加しないよう警告した。

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