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注目のコメント
空港民営化は、高速道路の民営化に例えると分かりやすいかと思います。
航空会社:高速バス
空港ビル:サービスエリアの運営
空港管理者:高速道路の管理者(保有も然り)
といった具合です。
例えば、高速バスを利用するときに高速道路の料金は利用者が直接払うものではありません。空港についても着陸料や航行援助施設利用料などさまざまな料金がありますが、基本的にはチケット料金にコミコミ、という仕組みになっています。
高速道路の民営化では、今までは単なる休憩所、付帯設備扱いであったサービスエリアが「稼ぎどころ」として変身したことが高く評価され、空港の民営化においても、似たような効果が期待されているということになります。
そこで、空港の保有者はあくまで国や自治体に置きつつ、その管理や運営を民間に委託するというのが昨今の空港民営化のやり方となっています。このやり方で民営化されている代表例が例えば関西・伊丹・神戸の空港を管理運営する関西エアポートで、株主にも国が関係しない、文字通りの民営化となっています。
既存の空港では、例えば成田はNAAが管理運営を行っていますがこれは特殊法人で100%国が出資しています。羽田は国が管理を行いつつ、空港ビルのみ日本空港ビルデングや東京国際空港ターミナルに運営させているという空港です。
すでに関西では3空港が同じ企業のもとで一体運用されていますが、これは海外でも同じ都市圏の空港では同じ管理体で運用されるのがポピュラーです(例えばニューヨークの主要3空港もニューヨーク・ニュージャージー港湾公社により一体運用となっています)。
日本においても巨大な既得権をもたらす東京の発着枠を、いかにバランスよく競争原理を取り入れて配分していくかということが求められています。航空業界の俯瞰を試みており面白い。続きが気になる。
コロナ禍前の数字でみると、羽田発着は客数ベースで国内線シェアは60%と高く、羽田集中の構図が窺える。2位の成田発着は同シェア7%とかなり開きがある。交通の便が良いことが羽田集中の理由の1つだろう。
記事中で羽田はドル箱路線と書かれているのがその通りで、競争環境が安定していることが理由として大きい。2つの観点から説明する。
対新幹線という観点では、太い流動である羽田=福岡、羽田=新千歳は航空のシェアが圧倒的に高い。よく「4時間の壁」といわれるが、総移動時間が4時間を超えると航空シェアが高まる傾向にある。(航空vs鉄道のシェアについては、JRのIR資料の1つであるファクトシートにわかりやすい図があるので参考になる。)
航空会社間競争という観点では、国内はANA・JALの2強体制であり、競争が起きにくいことが大きい。他の航空会社にはANAかJALの資本が入っており、むやみにマーケットを乱すようなプレイヤーは見当たらない。
この国内線の競争環境が安定しているのが日本の航空業界の特徴で、海外の場合(例えばアメリカなど)は国内線の競争が激しく、国際線が利益源泉となっていることが多い。
■参考資料
この記事を読んで過去の発着枠配分の経緯など詳しく知りたくなった方は、少し古いが国交省の下記の資料が参考になる。国内線のシェアはp.61に掲載。
・国土交通省_羽田空港発着枠の検討課題と現状(2019年1月)https://www.mlit.go.jp/common/001271399.pdf
・JR東海_ファクトシート p.5:航空vs鉄道のシェアがわかる
https://company.jr-central.co.jp/ir/factsheets/_pdf/factsheets2020.pdf「日本で一番乗客の多い羽田」
コロナの影響をうけて現在どうなっているかわかりませんが、羽田空港の離発着数は世界で見ても常に上位5位以内の常連となるほど多忙な空港です。上位は各国の大都市か?と思いきや、そうではなくハブ空港になっているところが当然強い。
日本からは羽田空港がランクイン! 世界で最も忙しい空港トップ20
https://www.businessinsider.jp/post-165399
他には、国内線・国際線の飛行ルートは誰がどうやって決めているのか、かち合うことがないか、空港管理業の裏側なども今後出てくるとオモシロイと思っています。