2021/4/21

【超入門】複雑な「航空業界」を、わかりやすく整理してみた

NewsPicks 編集部 記者・編集者
コロナで大きな打撃を受けた業界の一つ、航空業界。この一年間は、航空関連のネガティブなニュースが数多く飛び交った。
ニュースの主語は、ほとんどがANAやJALなどの航空会社(エアライン)。運行本数の減少による赤字や、資金調達について報じるものが多かった。
ただ、航空業界はエアラインだけではなく、複数のプレーヤーが相互に協力することで成り立っている。旅客機を飛ばすのは、簡単ではないのだ。
なかでも国(国土交通省航空局)と共に重要な役割を担うのが、空港。あまり注目されないが、彼らの存在なしでは航空業界自体が成り立たない。
そこで本特集『話したくなる「空港の世界」』では、航空業界の陰の主役とも言える空港をひもといていく。第一回目では、メインプレーヤーである、エアライン、空港、国の役割を整理して紹介する。
この関係を頭に入れておくと、空港経営のみならず、コロナ禍で話題の多かった航空業界のニュース全体が理解しやすくなるはずだ。
まずは、最も身近なエアラインの役割を改めて整理することから始めよう。なおエアラインの航空事業には貨物もあるが、ここでは旅客事業を中心に解説していく。
当然ながら彼らの大きな役割は、航空機を飛ばし、乗客を目的地まで送り届けることだ。
エアラインは航空機を製造メーカー(ボーイングやエアバスなど)から買ったり、リース会社から借りたりして調達し、パイロットや客室乗務員ら従業員がサービスを提供する。
乗客が接するのは、パイロットや客室乗務員などのエアライン職員ばかりなので、彼らがそれぞれの企業戦略に基づいて、自由に航空機を飛ばしていると思われるかもしれない。
(写真:Aviation Wire/アフロ)
しかし実は、エアラインは好き勝手に、空港から航空機を飛ばせるわけではない。安全な飛行を実現するため、国が運航の手続きや管理などを担っているのだ。
では、航空機を飛ばす際のプロセスは、一体どのようになっているのか。ややこしいのは、国内線と国際線で、少し形式が異なること。まずは、国内線から見ていこう。