(ブルームバーグ): 東芝に対する英投資会社のCVCキャピタル・パートナーズの買収提案に関連して、東芝株主で香港のヘッジファンド、オアシス・マネジメントが19日、東芝に最高水準の企業統治を求めるとの見解を示した。東芝が取引銀行に対し、CVCに融資しないよう圧力をかけたとされる報道に懸念を表明した。

オアシス創業者で最高投資責任者(CIO)のセス・フィッシャー氏は、ブルームバーグの取材に対し、東芝が潜在的な買い手に融資しないよう圧力をかけているとする報道に懸念を抱いていると指摘。

その上で、「東芝のコーポレートガバナンス(企業統治)が試される重要な局面だ。われわれは東芝が最高水準のガバナンスを示してくれると期待しているし、そうでなければ今年の定時株主総会は再び東芝のリーダーシップの是非について問われるものになるだろう」と電子メールで述べた。

共同通信は15日、東芝がCVCによる買収提案を拒否する方向で調整に入ったことが分かったと報じた。複数の関係者の話を基に、非公開化を前提としたCVCの買収案に対し、東芝幹部は大手銀行に上場は絶対に維持すると伝え、CVCに買収資金を融資しないように非公式に要請したとしている。

東芝の広報担当は、7日以降CVCの買収提案に関連するさまざまな臆測に基づく報道が出ていることから金融機関に対して状況の説明は行っているとした上で、「CVC提案に融資をしないでほしいといったことを伝えた事実は承知していない」と電子メールでコメントした。

(最終段落に東芝の広報担当のコメントを追加して記事を更新します)

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