[シカゴ 16日 ロイター] - 米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の研究員は16日、同社の新型コロナウイルスワクチンの設計や、類似する英製薬大手アストラゼネカのコロナワクチンの設計が、まれな脳血栓症との関連を説明する可能性があるとした有力医学誌の記事の見解を否定した。

J&J製とアストラ製のワクチンは、いずれも改変を加えたアデノウイルスをベクター(運び手)として利用する新技術に基づいている。米ネブラスカ大学のケイト・リンミューアー氏らは今週医学誌ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)に掲載された症例報告で、血栓症発症が「アデノウイルスベクターのワクチンと関連している可能性」を指摘した。

この日J&Jの研究員らはNEJMへの書簡で、この可能性を否定。J&Jのワクチン開発部門であるヤンセンファーマシューティカルのマカヤ・ドゥオギ氏らは、J&Jとアストラ社のワクチンに使用されているベクターが「大きく異なり」、それが「著しく違った生物学的作用」をもたらすと述べた。

また、自社のワクチンが血栓症の原因になることを裏付ける十分な証拠はないとして、データの評価に向けて保健当局と引き続き連携していく姿勢を表明した。 米食品医薬品局(FDA)は、このウイルス設計が血栓リスクの原因かどうか精査中だ。