[18日 ロイター] - ミャンマーのクーデターで実権を掌握した国軍に対抗し、民主派が新たに結成した「国民統一政府(NUG)」は近隣諸国に対し、危機解決に向けた交渉を呼び掛け、軍事政権を承認しないよう求めた。

東南アジア諸国連合(ASEAN)は、加盟国ミャンマーのクーデターを受けて、同国の危機への対応策を模索している。

国軍はこれまで近隣諸国や軍が追放した政府メンバーらと交渉する意向をほとんど示していないが、タイ政府当局者が17日に明らかにしたところによると、4月24日にインドネシアで開催されるASEAN首脳会議に、クーデターを主導したミン・アウン・フライン総司令官が出席する意向を示したという。

実権掌握後初の軍トップによる外国訪問で、海外首脳との会合となるとみられる。国軍はASEAN会議に関してコメントを出していない。

NUGの外務次官Moe Zaw Oo氏は、ASEANは軍事政権を承認すべきではないと指摘。18日に放送された米政府系放送局、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)ミャンマー語サービスのインタビューで「ASEANがミャンマー問題に関連した行動を検討しているのであれば、国民に支持され、完全な合法性を持つNUGと交渉しない限り、成功しないだろう」と述べた。

民主化指導者、アウン・サン・スー・チー氏の政党である国民民主同盟(NLD)の議員らを含む民主派は16日、NUGを結成すると発表した。NUGにはクーデター以降拘束されているスー・チー氏のほか、民主派デモの主導者らや少数民族も含まれている。

NUGは自らが合法な政府だとし、国際社会による承認やASEAN首脳会議への参加を求めている。

18日にはミャンマー各地で群衆が通りに出てNUGへの支持をアピールした。

また、メディアの報道によると、17日には中部モゴックで治安部隊がデモ参加者の2人を射殺。主要都市ヤンゴンでは複数の小型爆弾が爆発し、兵士1人が死亡、数人が負傷した。

ミャンマーの人権団体、政治犯支援協会(AAPP)によると、爆発の詳細は不明だが、デモ隊が爆弾攻撃を行っていると非難している国軍が17日深夜過ぎに掃討作戦を開始していた。

治安部隊によるデモ制圧ではこれまでに737人が犠牲になっているという。